マーティン・ツバイク/米国で最も著名な株式市場アナリストの1人であり、市場トレンド分析の第一人者。約1兆円の資金を運用するという著名なファンドマネジャーでもある【イラスト/南後卓矢】

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トレンド判断の名手は大暴落の回避も上手い

 トレンド判断の名手マーティン・ツバイクは、上昇トレンドに乗ることには、もちろん長けているが、彼のさらに凄いところは、下降トレンドや暴落を避けることが上手いことだろう。

 たとえば、1987年10月下旬、米国ではブラックマンデーと呼ばれる株価大暴落が起き、NYダウは2週間で2600ドル台→1700ドル台と約35%下落した。

 しかし、ツバイクは、この暴落の直前に市場から警戒サインを読み取り、株の買いを手控えたばかりか、保険のつもりで買ったプット(株価が下落すれば儲かる金融商品)が大幅上昇して利益を手にすることとなった。

2年ぶり金融引き締めが株価暴落のサインに

 ツバイクが暴落の可能性を察知した手がかりは、「金融政策」にあった。

 この87年の状況を振り返ると、1月から8月にかけてNYダウが1900ドル台→2700ドル台と大幅に上昇していた。そして、株式市場が熱気に包まれる中、FRB(米国の中央銀行に当たる機関)は、9月初旬に政策金利(当時は公定歩合)を5・5%→6・0%と引き上げた。これは、「約4年ぶりの金融引き締め」であった。

 ツバイクは、大きな金融政策の転換は、株価トレンドを転換させる最重要な原因と考える。ここで、ツバイクの考える「大きな金融政策の転換」とは、
・ずっと続いてきた金融政策の方向性(緩和か引き締め)が逆方向に転換する
・2年以上ぶりに、金融緩和か金融引き締めが行なわれる
ということだ。

 つまり、「約4年ぶりの金融引き締め」は、ツバイクにとっては極めて重要な警戒サインだったのだ。そして、実際に、この警戒サインは見事的中することになったのだ。

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