国内では沖縄、海外ならタイと、ちょっと旅行に行くのなら、南方面が人気です。独特の開放感や、気候の良さなど、魅力をあげたらきりがありません。今度の連休で南を目指す人も多いでしょう。

 『逃北〜つかれたときは北へ逃げます』の著者・能町みね子さんは、皆と少し違うようで、都会での生活に倦んだとき、南に行って気楽になろうというのではなく、北に行きたいと思うそうです。それどころか、仕事に飽きたら、札幌や仙台の不動産情報などをネットで探し、北での生活を想像しているのです。これは、かなりの北好きといえるでしょう。そして、能町さん自身も、この衝動を「逃北」と名づけています。

 さて、北といっても、わりと幅広い地域があります。能町さんは、どのあたりを北としているのでしょうか。これについては、かなり「感覚的な問題」とのこと。能町さんが北と思えば北となるのです。つまり、「北っぽさ」が感じることができる地域なら、どこでも「逃北」が可能なのです。

 例えば、日本国内の場合。北海道や東北はもちろんのこと、関東でも日光や尾瀬は北だそうです。東京近郊はもちろん北ではありません。そして、ややこしくなるのがここから先。

 「緯度は下がるけど、北陸も逃北の対象になりそうです。だいたい"北"という字がついているし、世界有数の豪雪地帯だから北っぽさが十分です。しかし、富山、石川と南下してきて、福井までくるともうだいぶもやもやしている。正直、福井はよく知らない。行ったことがないのでイメージがわかない。内陸では、長野市は、街を歩いたときに北のような気がした。松本もけっこう北を感じた。でも、言うまでもなく、静岡はぜんぜん北じゃない」

 その他にも、鳥取と島根には北らしさがあるようです。総合的に「寒いところ」「曇ってそうなところ」「雪が降るところ」「日本海側」そして、「なんとなくさみしいところ」を北としているようです。

 南の旅行先には魅力がたっぷりですが、能町さんのようにフラリと北を訪れる旅をしてみてはいかがでしょうか。新たな面白みを発見できるかもしれません。



『逃北~つかれたときは北へ逃げます』
 著者:能町 みね子
 出版社:文藝春秋
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