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——今回は『ベストパートナーになるために』(ジョン・グレイ著)を参考に、男性という生き物について話し合っていきます。

サチエ 男心を知るためのバイブルとして博士推薦の『ベストパートナーになるために』を読むと、男性と女性では思考や行動が全然違うんだなということがよくわかります。男性に悩み事を話したとき、女性はただ話を聞いてほしいだけなのに、男性は「こうすればいいんだ」とお説教してくるといったことは、男女差の典型例ですよね。

博士 何か相談事を持ちかけられたとき、男性は「俺の問題解決能力を試されている」と感じて、答えを出さなきゃと思うんです。

サチエ 相談事じゃなくても、男性の「問題解決しなきゃ」モードを感じることがあります。例えば会議室に入ったとき、世間話のつもりで「今日は暑いですね」と言ったら、「え? クーラー付けようか」と言われて。「そんなつもりで、言ったんじゃないのに」と(笑)。

博士 男性的な思考には「何の意味もない会話」というものがないのです。基本的に一人の人間の中で男性的思考と女性的思考は混ざっているものなので、すべての男性が「クーラー付けようか」という返答をするわけではありませんが、きっとその人は男性的思考が強いタイプだったのでしょう。

サチエ 男性って、自分が悩んでいるときは一人になりたがりますよね。

博士 それは「問題は自分で解決するもの」というのが男性の思考だからです。誰かに相談すること=自分には問題解決能力がないと言っているのと同じ意味なんです。だからギリギリまで相談しません。男同士は、それをわかっています。仮に相手が困っていそうだとしても、解決方法を求められない限り、手出しはしません。求められてもいないのに「こうすればいい」なんてことを言ったら、相手のプライドを傷つけることになるからです。

ミホ でも、彼が何かに悩んでそうなときは、「どうしたの? 何があったの?」とつい聞き出そうとしてしまいます。彼のことが心配だから。

博士 けれどその行為は、一歩間違えると男性のプライドを傷つけてしまうのです。

彼が悩んでいるときは、とことん穴にこもらせる

博士 聞いたとしても、多くの男性は「何でもない」と話そうとしないでしょう。そもそも聞き出そうとする行為は、自分のダメさを告白しろと言っているのと同じこと。「失敗して上司に怒られた」ということを誰にも言いたくないと思っているのに、それを蒸し返そうとしているわけです。彼を思う気持ちから出る行動であっても、彼のプライドを傷つけることになります。だから、放っておくのが一番。彼は一人で穴にこもって、彼女とのコミュニケーションを断つかもしれませんが、それは一時的なこと。解決の見通しが立てば、再び穴から出てきます。

 この状態のときに、「私のこと嫌いになったんじゃないの?」と不安がる女性がいますが、これもいただけません。男性が仕事などで問題を抱えて一人になりたがっているときは、解決しなければいけない問題に没頭中の状態。恋愛モードではまったくないのです。そんなときに、「もしかしたら、私が何か悪いことした? 怒ってる?」など不安そうなメールが届いても、男性にとっては面倒なだけ。鬱陶しいとさえ、思うかもしれません。

ミホ だけど、彼が付き合っている彼女に悩みを打ち明けないのは、そこまで心を開いていないからということではないんですか? 信用している彼女になら、話をするんじゃないかと。

博士 まったく違います。そもそも男性にとっては「彼女を信用している」という状態は、存在しません。

ミホ ええっ? どういうことですか?

男にとって「彼女=パートナー」ではない

博士 男性は往々にして、転職や引っ越しを彼女に相談したりせずに一人で勝手に決めるものです。というのは男性にとって、付き合っている彼女といえども結婚を覚悟する直前までは、他人だからです。

 男性は「責任を取ろうとする生き物」ですが、責任を取ることって大変ですよね。だから、なるべくなら取りたくないと思って生きています。そのため、付き合っている彼女に対しても、「俺とお前とは、別々の人生なんだ」というスタンスを保とうとします。それが、「俺の人生なんだから、転職も引っ越しも俺が勝手に決めて当然」という態度になって表れているのです。一方で女性にとっては、付き合っている彼=パートナーです。だから「話し合おう、向き合おう、問題を一緒に乗り越えよう」ということを彼に求めます。ここに大きなズレがある。「俺、お前のことをパートナーだと思っていないし」という彼にとって、女性からこう言われるのが一番面倒なことなのです。

マキ 付き合っていく中で、二人の関係を深めたとしてもですか?

博士 そうです。男性が彼女をパートナーと決めるときとは、「こいつのことを俺がとことん面倒みてやろう」と決めたときのこと。つまり、結婚を覚悟したときといえるでしょう。

ミホ じゃあそれまでは、「彼は彼の人生。応援はするけど、口出しはしない」という態度を取ったほうがいいってこと?

博士 そうですね。

サチエ だとしたら、男性にとって彼女とはどんな存在なんでしょうか?

博士 男性が彼女に求めているのは、居心地の良さや異世界感(非現実感)、そして体の関係です。ストレスを抱えながら仕事をしていたり、いろいろ悩みもあったりするけれど、彼女といるときは現実の大変さを忘れられたり、ほっとできたりするといったことです。男性にとってこうあってほしい女性のイメージは、「癒してくれる天使」とか「誘惑してくる小悪魔」とか「男からの貢物を喜んでくれる姫」とか、そういうもの。女性からそんな雰囲気を感じると、現実世界から異世界に逃げ込めたような気がしてうれしいんですね。

 一方で、「どうしてメールの返信をくれないの?」「忙しいとばかり言っていないで、会ってほしい」と責められたり、さまざまなダメ出しをされたりすると、異世界感はなくなり、彼女=現実そのものの存在になります。そして、うっとおしくなって醒めていくのです。

ミホ 恋人同士の間は、できるだけダメ出しをせず、居心地のいい状態をつくるのがベストということですか?

博士 ほかにも、彼のしてくれたことに喜んだり、部屋の中でも身ぎれいにして女性らしさを忘れずにいたりすることも大切です。彼と結婚したいのなら、そうやって居心地のよさや異世界感を感じさせながら、彼が結婚を決意する7つのスイッチを一つひとつオンにしていくこと。彼が「こいつの面倒は俺がみてやる」と決意したときに、初めてパートナーになるのだということをいつも頭の片隅に留めておきながら、二人のいい関係を築いていってください。

今回のお題

『ベストパートナーになるために』
『ベストパートナーになるために』

三笠書房
560円

サチエ メーカー事務職、29歳。バツイチ。付き合っている彼とは先日お別れ。勉強熱心なメモ魔。

ミホ サービス会社広報、27歳。合コンに精を出してもなかなか成就しなかったが、1年前に念願の彼氏ができて幸せモード。今の彼となんとかゴールインまで持ち込みたいと思っている。

マキ IT会社事務職、34歳。バツイチ。同棲中だった彼とついに結婚し、新婚生活を開始。