「シェール革命」による貿易収支の改善が米ドル相場の押し上げ要因に

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米国では「シェール革命」により、シェールガス、シェールオイルなどに代表される非在来型エネルギーの生産拡大が続いています。EIA(米エネルギー省情報局)の最新の見通しによると、こうした生産拡大を受け、米国の月間産油量は2013年後半に、1995年2月以降で初めて原油輸入量を超えるほか、2012年には平均40%であった輸入依存度が、2014年には32%まで低下するとみられています。

米国は原油産出国ではあるものの、近年は生産量を上回る米国内の消費増を背景に、原油を輸入に頼る状態が続いています。米国の貿易収支の赤字に占める石油関連の割合は足元で約50%と、原油の輸入などが巨額な赤字が続く貿易収支の主要因となっています。しかしながら、今後、EIAの見通しに沿った展開となれば、米国は石油エネルギー需給の自立に成功することとなり、これによる貿易収支の改善が見込まれることは、米国経済にとって大きな意味を持つ変化になるとみられます。加えて、非在来型エネルギーの生産増加は、貿易収支の改善のほか、エネルギー価格の低下などを通じて、米国企業の投資や個人消費の活発化などを後押しするとみられており、米国の経済成長を支えていくものと期待されます。

なお、過去においては、米国の貿易収支の改善が米ドル相場の押し上げ要因となる傾向がみられており、今後も貿易収支の動向が米ドル相場の重要な変動要因のひとつであるものと考えられます。日本では自国の貿易収支の動向や、金融政策をはじめとする変化などに関心が集まり、それらによる円安の進行が意識されていますが、米国経済の変化も米ドル高の要因として、注目していく必要があると考えられます。

(※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。)

(2013年4月16日 日興アセットマネジメント作成)

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