2013年、日本はデフレ経済の「失われた20年」を脱出し、異次元の上昇相場を迎える──。昨年10月、まだ「アベノミクス」という言葉さえなかったころ、本誌インタビューでそう予測したのは「経済の千里眼」こと、菅下清廣氏(国際金融コンサルタント)だ。独自の「波動理論」から導き出される未来予測には、政財界の要人たちも注目する。この上昇相場はいつ、どこまで続くのか。菅下氏が緊急分析した。

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 昨年11月中旬にスタートした株価上昇は、この3月から4月上旬にかけて、注目すべき局面を迎えました。それまで一本調子で上がってきた株価が突然ストップし、約1か月間、日経平均株価が1万2500円付近で揉み合ったのです。

 相場の世界には「半値戻しは全値戻し」という格言があります。株価が底値をつけて上昇を始めたとき、直近の最高値からの下落分の「半値」を回復すれば、最高値まで再び上昇する。逆に、「半値」まで戻さなければ、下落局面に舞い戻るという意味です。半値を超えるか、超えないか――その攻防戦こそ、プロの相場師たちが最も注目するポイントなのです。

 日経平均1万2500円付近は、まさにその半値でした。リーマン・ショック前につけた1万8261円(2007年7月9日)を最高値、ショック後につけた7054円(2009年3月10日)を最安値とすると、半値戻しは1万2500円近辺になる計算です。

 3月半ば、その近辺で上昇がピタリと止まった。そこは、その後の上昇と下降を占う重大局面でした。

 そこで黒田東彦・日銀新総裁が放ったのが「黒田バズーカ」でした。4月4日、総裁就任後初めての金融政策決定会合で、市場の予想を上回る金融緩和を決定。その直後、株価は一気に上昇して、1万3000円を超えた。「半値戻し」を突破したわけです。

 その時点で次の目標値が「全値戻し」であることがはっきりしました。今後、株価は1万8000円を目指す展開になると予測できます。

 材料も十分に揃っています。日本の株式市場を左右するのは、今も昔も外国人投資家の動向です。英『フィナンシャル・タイムズ』紙が、「黒田バズーカ」の発表の翌日に〈日本が金融革命を始めた〉という記事を掲載したように、いま世界のマネーは日本を目指しています。

 日本の他に行く場所がないともいえます。ユーロは信用不安が払拭しきれず、アメリカはダウ平均の史上最高値更新によって高値警戒感が出てきています。数年前まで世界経済を牽引したBRICs経済も環境汚染や鳥インフル禍で揺れる中国を筆頭に、目を覆わんばかりです。

 1万8000円を超えていくならば、その先に見えるのは近年稀に見る大相場です。過去の大相場を見ると、おおよそ7〜8年で5倍になっていることがわかります。

 7〜8年の波動といえば、「設備投資循環=ジュグラー・サイクル」が知られています。社会的にブームになる新商品が開発されたり、企業の設備が新しいものに更新されたりするスパンを考えると、7〜8年が1つのサイクルになると考えられています。現在の上昇相場の出発点を、2009年3月の7054円だとすれば、2016年に約3万5000円という数字も見えてきます。

※週刊ポスト2013年4月26日号