首都圏300万平方メートルの大地主。よみうりランド株の評価は5分の1
過去の含資産株相場では、よみうりランド株が1年で3・4倍増を達成したという。すでに足元では関連する企業に買収劇が起こっており、2005年の相場の再来が期待されている。


過去の成功経験により含み資産株の投資家層は分厚い
直近で含み資産株が大相場を演じたのは、2005〜2006年ごろ。日本経済は戦後最長の景気拡大局面、いわゆる「いざなみ景気」の真っただ中にあり、日経平均株価も上昇を続けていた。

含み資産株相場を助長したのが、旧ライブドアによるニッポン放送買収事件だ。また、村上ファンドが?もの言う株主〞として含み資産株を買いあさっていたのも同じころ。日経平均の上昇に、含み資産を狙った買収合戦の思惑が加わり、含み資産株人気に拍車がかかったのである。

都内に広大な土地を所有するよみうりランドの株価は、2005年1月からの1年間で約4倍に暴騰。そのほか、東京都競馬や昭和飛行機、松屋、帝国ホテルなど、過去の含み資産株相場で人気化した銘柄が次々と値を飛ばした。「含み資産株は、過去に何度も大相場をつくってきたため、投資家の層が厚い。個人投資家の買いに国内外の機関投資家が追随してこないと上昇相場は長く続かないので、投資家層が厚いというのも重要なポイント」(山本さん)

含み資産株には、投資ファンドなどから買収を仕掛けられたり、親会社が完全子会社化するケースが後を絶たない。それも、含み資産株が大相場に発展する一つの要因だ。

現在は2005年の相場状況とそっくり。より大きな相場に発展!?
山本さんによると、2005年に含み資産株が大相場を形成した過程と、現在の相場状況は非常によく似ているという。まず、日経平均が本格的な上昇を始めている点。次に、東宝による東宝不動産の完全子会社化など、含み資産株の買収劇が相次いでいる点。また、現在、東京駅周辺や渋谷、日比谷などの主要地で再開発ブームが沸き起こっており、これも地価上昇に弾みをつけているもようだ。

さらに、「円安によって、含み資産株が2005年以上の大相場に発展する可能性が出てきた」と指摘する。

「不動産バブル崩壊後の、いわゆる?失われた20年〞では、深刻なデフレが続いていて、タンス預金をしていた人が勝ち組でした。しかし今後、円安が加速すれば、どんどん現金の価値は目減りしますから、個人や企業の資金はなだれを打ったように土地や不動産などの実物資産に向かうことになるでしょう」

1995年から1998年の3年間で、ドル/円は79円台から147円台まで80%以上も円安が進んだ。今回の円安局面でも、長期的には同程度まで円安が進む可能性があるという。

ただ、実際の土地などの不動産には限りがあり、誰でも買えるというわけではない。その点、含み資産株なら誰でも投資することが可能だ。また、含み資産株への投資は、その企業が持つ不動産などに投資するのとほぼ同じである。含み資産株では、資産価値が簿価で計算されているわけだから、実際の価値よりもはるかに割安な価格で投資することができるというわけだ。



実質BPSに注目。日本株上昇なら株持ち企業も有望
含み資産株を見るうえでのキーワードは、含み資産を考慮した「実質BPS」。この数字と株価の差が大きければ大きいほど上値余地があると考えることができる。

よみうりランドは、東京の稲城市と神奈川の川崎市にまたがって、遊園地とゴルフ場という形で171万?という広大な敷地を保有している。そのほか、川崎競馬場や船橋競馬場など、首都圏でおよそ300万?の土地を持つ首都圏の?大地主〞だ。推定BPSは、「少なく見積もっても3000円以上」(山本さん)。現在の株価が500円台半ばだから、株価と実質BPSの差は、現時点でも5倍以上ある。