“お金のお医者さん”として知られる「家計の見直し相談センター」の藤川太氏がお金に関する固定観念を解きほぐす『マネーポスト』連載「お金持ちの方程式」。今回は、家計の固定費削減の切り札となる「保険の見直し」を実践する際のポイントについて、具体的に解説する。

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 保険の見直しを実践していくポイントは「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3つをなくすことにあります。

 まず「ムリ」というのは、たとえばこういうことです。結婚して子どもが2人産まれて、2人分の教育費などを考えて子どもが独立するまでずっと5000万円の死亡保障が得られる平準型の定期保険に加入する。しかし、子どもの成長に伴って必要な教育費はどんどん目減りしていきます。無理をして保険料を払い続けてまで5000万円を用意しておく必要がはたしてあるでしょうか。

 そこで平準型の定期保険ではなく、「収入保障保険」に切り替えるという手があります。これは契約者が亡くなった時点から満期まで年金形式で保険金が支払われるタイプで、たとえば40歳で60歳までの死亡時に月15万円が支給されるものに加入すると、50歳で死亡した場合は60歳までに計1800万円、55歳だと計900万円といった具合に徐々に保障額が減っていきます。

 つまり、保障タイプを「四角」から「三角」にするのです。それによって保険料も同じような保障の平準型定期と比べると約2分の1以下にまで抑えることができるので、それこそ無理をせず必要最低限の保障が得られるといえるでしょう。

 次に「ムダ」。多くの契約者の事例を見ていると、このケースが一番多い。保険会社のセールスでは、死亡をはじめ、病気やがん、介護などとさまざまなリスクを並べ立てて、ありとあらゆる保険の加入を勧めてきます。実際、そのようなセールストークに乗せられて、実にさまざまな保険に加入してしまう人が少なくありません。

 たとえば生保の介護保険には一生涯保障される「終身型」と一定期間保障される「定期型」がありますが、総じて終身型の保険料は高いため、掛け捨ての定期型に加入している人もいますが、これはやはり「ムダ」といえるでしょう。

 介護リスクというのはやはり高齢者ほど高いわけですから、若い頃の不安だけを解消するような保険はほとんど意味がありません。このようなムダな保険に加入していては、お金がいくらあっても足りなくなってしまいます。

 そして、意外に見落としがちなのが「ムラ」です。メインとなる死亡保障の保険に医療特約がついているにもかかわらず、単体の医療保険や医療共済などに加入したりはしていないでしょうか。よく考えてみたら重複する保障ばかりといったようなムラがないかどうか、お手元の保険証券を一度チェックしてみることをお勧めします。

 このように「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3つの観点で見直したうえで、ぜひお勧めしたいのが、他の保険会社との比較です。

 保険料の自由化が進んだこの10数年で保険会社間の保険料には大きな差が出るようになりました。ほぼ同じ保障内容の平準型定期保険同士でも2〜3割は保険料が異なりますし、さらに非喫煙者なら非喫煙健康体割引が受けられるタイプに加入すると、保険料を半分近くまで下げることも可能となります。

 いまやできるだけ多くの保険会社を見比べて、少しでも割安な保険を選ぶのが鉄則なのです。

※マネーポスト2013年春号