かつて、“視聴率男”と称された亀田興毅の神話も完全に崩壊したか…。

 WBA世界バンタム級王者の興毅(26=亀田)が、同級8位のパノムルンレック・カイヤンハーダオジム(29=タイ)を挑戦者に迎えたV6戦が、4月7日に大阪・ボディメーカーコロシアムで行われ、2−1の僅差判定で興毅が勝利し、6度目の防衛に成功した。

 試合はこれといった見せ場もなく、ダウンシーンもなく終了。試合前には、景気よくKO勝利を宣言していた興毅だが、凡戦の末の辛勝に、「しょうもない試合をしてしまいまして、本当に申し訳ない」と、ファンに土下座謝罪するありさまだった。

 当初、2月14日に発表された対戦相手は同級8位(当時)のジョンフレス・パレホだったが、パレホ陣営にビジネストラブルがあったとして、3月12日に同級6位のフアン・カルロス・パジャーノ(ドミニカ)に変更された。

 ところが、今度はパジャーノにパスポートの不備が発覚し、来日不可能となり、同16日、パノムルンレックに変更されるドタバタぶりだった。

 度重なる挑戦者の変更で、対戦相手を研究する時間が少なかった面もあろうが、ランキング下位の選手相手に、この凡戦ぶりでは世界王者としての器量が問われる。

 この試合はTBSがテレビ中継したが、その視聴率(数字は以下、関東地区)は、試合内容に比例するように、11.2%(午後7時56分〜8時54分)と低調だった。同時間帯では日本テレビ系列「DASHでイッテQ!行列のできるしゃべくり日テレ系人気番組NO.1決定戦」(午後7時〜10時54分)の13.8%が最高で、裏番組に影響されたとも言い難い。

 昨年12月14日のV5戦では、同級暫定王者のウーゴ・ルイス(メキシコ)との統一戦を実現させ、叶美香のラウンドガールへの起用も功を奏したか、視聴率は20.5%をマーク。興毅の試合では2年9カ月ぶりに20%の大台を記録していただけに、V6では実に9.3ポイントも急落した。

 バンタム級に転向してからの興毅戦の視聴率は、王座決定戦(10年12月26日)=13.8%、V1戦(11年5月7日)=13.9%、V2戦(同8月31日)=16.7%、V3戦(同12月7日=セミファイナル)=10.2%、V4戦(12年4月4日)=14.6%で、V6戦は2番目に悪かった。ただ、V3戦ではメーンを弟の大毅に任せたため、放送時間が早くて数字が伸びなかったという背景があっただけに、今回の視聴率の低さは深刻。

 V5戦でもダウンシーンは見られず、「興毅の試合は見ていて、つまらない」というのが定説になりつつある。このまま、勝って当然の相手にも凡戦を繰り返していては、ファンがソッポを向いても致し方ないところか…。
(落合一郎)