東京・神田に新しい複合施設「WATERRAS」がグランドオープン

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淡路町二丁目西部地区市街地再開発組合、安田不動産(株)、一般社団法人淡路エリアマネジメントは、東京・神田淡路町2丁目で再開発が進めて来た大型複合施設「WATERRAS/ワテラス」を4月12日(金)にグランドオープンした。
神田淡路町周辺は、近隣に明治以降、旧万世橋駅、青果市場などを有した、都内でも有数の賑やかな場所であったが、昨今は急激な人口減少(1960年代の約1/4)と高齢化が進行したことから、地元を中心に再開発の機運が高まり、再開発組合設立から地権者等の権利変換計画認可まで約1年3カ月という異例のスピードで計画が進行したことも、大きな話題となっていた。

今回グランドオープンした「WATERRAS」は、「古き良き伝統を受け継ぎ、新しいコミュニティが育まれるまちへ」をコンセプトに、地域全体の魅力向上と、定住出来る統合的な都市環境の整備を目的として、1993年に廃校となった、旧淡路小学校跡地を中心とする2.2haのエリアで開発されたもの(施工者:淡路町二丁目西部地区市街地再開発組合)。地上41階・地下3階、高さ164.8mの「ワテラスタワー」と、「ワテラスアネックス」の2棟で構成されており、オフィス、レジデンス、アトリウム、商業施設、コミュニティ施設、学生マンション、四季の彩りを楽しむことが出来る広場といった多様な施設を整備。グランドオープン後は、街づくり組織団体「淡路エリアマネジメント」を中核とする様々な活動を展開することで、ハード、ソフトの両面から、居住者や就労者、周辺地域住民や来街者などとともに、コミュニティの活性化を目指すとしている。《ワテラスタワー》
「ワテラスタワー」は3〜18階がオフィス専用の空間で、約710坪の無柱大空間から、10-50坪のスモールオフィス用まで多様なニーズに応える空間を用意。最上階19階には、就労者のためのリフレッシュスペースも開設している。
また、タワー棟1〜3階には、コミュニティ施設「WATERRAS COMMON」を併設している。1階には、様々な講座や地域交流イベントのためのサロン、園芸情報発信スペース「Hana-Koyomi8890」を開設している。「WATERRAS」の外構植栽と隣接する淡路公園は、現在「神田花暦園」をコンセプトに、一体的に整備が続けられている。この「Hana-koyomi8890」は、和の園芸ショップであるとともに、その管理スタッフの活動拠点でもあり、今後、近隣住民とともにガーデニングクラブを運営したり、園芸に関する相談にも乗るスペースとして行く考え。さらに、2階には、粋、和、音楽など、広い意味での「神田文化」に関わる本を集めたライブラリースペース、神田に似合う和小物、文房具などを全国から集めたコンセプトストア「Rin8890」を開設。3階には多目的ホール「ワテラスコモンホール」と、地域の記憶として、旧淡路小学校講堂の天井デザインを模したカフェラウンジ「Terrace8890」を開設している。《ワテラスアネックス》
最もユニークな試みは、新築の大型複合施設としては初めて、学生マンション「ワテラススチューデントハウス」が併設されたこと。これは「ワテラスアネックス」14-15階の全36戸。居室は20平米、家具・家電付きの1ルームタイプで、月額の賃貸料は6万5000円(別途管理費1万円)。これは相場より2-3割安いとのことだが、街づくりに関心をもつ学生が住み替えしやすい金額とすることを心掛けたという。契約形態は、安田不動産との1年ごとの更新契約で、最長3年まで(年齢制限18-25歳)。入居した学生は淡路エリアマネジメントの学生会員となり、イベントの運営や地域清掃活動、お祭りへの参加など、多彩なメニューの中から自分で選んだ年間最低12ポイント分の地域貢献活動に参加することが義務付けられている。現在既に満室で、36室のうち10室が女子学生であるという。
なお、「ワテラススチューデントハウス」の内装は、京都大学大学院准教授の田路貴浩氏の監修により、国産のスギ、ヒノキを出来るだけ使用。共用部の通路壁面には、このプロジェクトに関わった人々のシルエットを酒井抱一の草花図とコラージュした壁画が飾られている。
レジデンス部分は全333戸。地権者用80戸をのぞく253戸が分譲された。最多の間取りは3LDK、70-80平米。購入者の属性は、多い年代としては40代が30%、30代が25%、職業は、近隣に病院が多いことから、4軒に1軒が医師。家族構成は2人住まいが4割、3人住まいが2割、4人住まいが1割強となっている。
「TOKYOの粋」を伝える商業施設「WATERRAS MALL」(「ワテラスアネックス」地下1階-地上3階)には、「湯葉と豆腐の梅の花」がプロデュースする季節釜飯の店「花小梅」、明治44年創業の小田原の鮮魚商「魚國商店」による日本料理店「小田原 魚國」、黒毛和牛の新しい魅力を追求した熟成肉専門の焼肉店「エイジングビーフ」、南青山のブルーノートが手掛けるカフェ「cafe 104.5」など、新業態や東京初進出の注目店舗20店舗が出店している。
施設全体のデザイン面では、「和」のテーストを取り入れたことが大きな特徴で、「ワテラスタワー」には小紋や矢絣など伝統紋様をさりげなく使用。「アネックス」の商業施設部分には「違い障子」をモチーフにしたファサードデザインを展開、内部空間2-3階をつなぐエスカレーターの壁面には和紙の「光壁」の演出を施している。
なお、淡路エリアマネジメントでは、「ワテラス」のグランドオープンから、4年ぶりに開催される神田祭の神輿宮入(5月12日)までの5週間にわたって、オープニングイベントを多彩に展開していく。詳しくは下記ホームページから。