村上春樹の書き下ろし小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が本日発売されました。同書は『1Q84 BOOK 3』以来3年ぶりの長編小説。代官山の蔦屋書店では午前0時から販売を開始し、深夜から同書を買い求める人であふれました。また版元の文藝春秋は初版を50万部発行するという異例の取り組みで、早くも話題を集めています。

 タイトル以外の情報が伏せられているにも関わらず、発売初日から今年度最もヒットすると予想されている同書。村上春樹フィーバーは今後も当分続くことが予想されますが、なぜ村上春樹作品はここまで多くの人々から支持されるのでしょうか。

 女優にして作家の中江有里さんは、学研のムック『村上春樹を知りたい。』のなかで、村上作品が支持される理由を次のように語っています。

「『1Q84』が爆発的なベストセラーになったことに対して、ただ単にブームに乗った人たちが買った結果だ、というようなことを言う人もいましたが、村上さんは『1Q84』以前にも、同じような現象を度々起こしています。単なる流行というものだけなら、一度はともかく二度三度と社会現象的な売れ方はしないですよ。やはり、それだけ村上文学には普遍性があるのでしょう」

 小説『風の歌を聴け』でのデビュー当初(1979年)、リチャード・ブローティガンやJ・Dサリンジャーのようなアメリカ文学の潮流を汲むスタイルは、今までの日本文学に見られなかった作風として話題になりました。近年上梓された『1Q84』では、ジョージ・オーウェルの著作『1984』を土台にディストピアを扱ったオーウェリアンSFで出版不況をものともしない大ヒットを生むなど、デビュー時からさまざまな作品を世に送り出している村上春樹の魅力について、中江さんは最後にこう続けます。

「村上さんが生み出す世界は間口が広いし、時代的な制約も感じさせない。だからこそ、世代や国を越えて読者を獲得しているのではないでしょうか」

 ムック『村上春樹が知りたい。』は、村上春樹のこれまでのキャリアを追いながら、村上文学の魅力に迫った一冊。すでに愛読している方もこれから読まれる方も、新作を読む前に本書を手に取ってみるといいかもしれません。今日に至るまでの流れを再確認することで、さらに作品への理解を深めることができるはずです。



『村上春樹を知りたい。 (学研ムック)』
 著者:
 出版社:学研マーケティング
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