レシピ本では、地元産のおいしい里いもを使った「里いもごはん」「里いものゆず風味ソテー」などが紹介されている。

発行元の辰巳出版によると、メインターゲットは子育て中のママだが、ダイエット中の女性やシニア世代の購入者も多いそうだ。

読者からは「身体に良さそうなので、是非作ってみたい」「ヘルシーだけどおいしそう」といった声が寄せられているほか、給食関係者などプロからは「給食作りの参考になる」と好評だという。

食材選びや味つけ、栄養バランスなどを考える上で参考になる点も多い。

福井独特のレシピに興味を持った人は、こちらの本を参照して、身体が喜ぶ料理を作ってみてほしい。

食育では「地産地消」も重要なキーワードになっていて、各地で地元の食材を取り入れた給食が出されている。

福井県の給食では「厚揚げ」「里いも」以外にも、他の県ではまず見られない珍しい食材がお目見えすることがある。

福井では雄のズワイガニを「越前ガニ」、雌を「セイコガニ」と呼ぶ。

冬場の給食にはなんと、「セイコガニ」が登場することがある。

そのほとんどが福井の家庭で消費されるため、県外に出回ることはまずない、まさに地元の味。

給食では1人1杯ずつ配られ、子供たちは食べ方の指導を受けながら、故郷の味覚を堪能するという。

また、福井県若狭地方の郷土料理である魚のぬか漬け「へしこ」が登場することも。

日本酒にピッタリの大人の珍味だが、給食では「へしこごはん」「へしこグラタン」などにアレンジされる。

このように地元の旬の味が登場するのも給食の楽しみ。

食材豊富な福井の子供たちは、給食時間をさぞや満喫しているのだろうと思うと、うらやましい限りだ。

最近、定食スタイルで栄養バランスの取れた給食が見直されているという。

中でも福井県の給食は、子供たちの心身の成長を考えた優秀レシピと言える。

すばらしい県民力はすばらしい食にあり。

福井県の豊かさの理由のひとつに「給食」があることは、間違いなさそうだ。

※小中学生体力テスト 男女とも全国1位(文部科学省「全国体力・運動能力、学習調査」/2010年)※中学校学力テスト 全国1位(文部科学省/2012年)※幸福度ランキング 全国1位(法政大学大学院「47都道府県の幸福度に関する研究結果」/2011年)