どうしても現地で観戦したいのなら、他の何らかの方法でチケットを入手するしかない(非公式の入手価格は5〜10万円ぐらい)。

そういった背景もあって、マスターズの観客はギャラリーとは呼ばれず、昔から支援者という意味を込めて特別にパトロンと呼ばれている。

ちなみに、パトロンたちは入場の際に厳重な持ち物チェックを受ける。

カメラやケータイなどの電子機器、アルコール、応援フラッグなどは会場内に一切持ち込み禁止。

入場ゲートには規定サイズの箱が用意されていて、手荷物はその箱の中に収まる大きさでないといけないシステムだ。

オーガスタ・ナショナルは、その美しいコースの見た目とは裏腹に、大きな傾斜と”ガラスのような”と評される高速グリーンを備えていて、一流の技を持つトッププロにとっても難易度が高く、例えて”魔女が棲む”とも言われている。

特にアーメンコーナーと名付けられた11番から13番にかけての3ホールは、スコアを大きく左右する難関だ。

サンデー・バックナイン(最終日の後半9ホール)のなかでも、毎年これらのホールは大きな見どころとなっている。

マスターズの過去大会では、これまでに幾多の印象深いショットや名プレーが生み出されてきた。

オーガスタ・ナショナルという同じコースで毎年開催されているからこそ、勝利を分けたプレーヤーの一打や歓喜の姿は、観る者の記憶に深く残り、毎年マスターズを観るたびに、それらが鮮明に思い起こされるのだ。

これまでの日本人プレーヤーの活躍は、2009年度に片山晋呉プロが記録した4位が最高位。

だが、実は日本のゴルフクラブメーカーのクラブは、過去にマスターズを2度も制覇している。

それが1984年にマルマンがアスリートのために生み出したクラブ、コンダクターだ。

1991年度の大会ではウェールズ出身の小さな巨人、イアン・ウーズナムがコンダクターでビッグドライブを放って勝利し、1994年度にはホセ・マリア・オラサバルが同じくコンダクターを使い、マスターズを制覇した。

今年、そのマルマンから往年のロゴを復活させたコンダクターの新製品が発売された。

「コンダクター PRO-X」と名付けられたこのシリーズには、ドライバー、フェアウェイウッド、マッスルバックとキャビティの2タイプのアイアンが用意され、アスリートゴルファーが思い描く”理想の一打”を放てるような性能に仕上げられている。

日本のクラブメーカーとして伝統あるマルマンが、この筆記体ロゴに込めた思いは大きい。

当時を知るゴルファーにとっては懐かしく、初めて手にする若手ゴルファーの目にも、このコンダクターのロゴを纏った、こだわりのゴルフクラブはカッコよく映るはずだ。

マスターズを観戦すると、ゴルファーなら誰しもプレー熱が上がってくる。

ちょうどこのマスターズ開催時期、日本にも春のゴルフシーズンが到来する。

テレビ観戦を終えたら、ゴルフの歴史が感じられるクラブを手に、コースに出掛けてみてはどうだろう。