ドーナツ化・温暖化を防ぐ、東京都の景観対策・都市計画とは?

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都心の過疎化であるドーナツ化現象や、地球温暖化による影響、また緑化対策など、東京都でも課題は山積しています。

そこで、平成13年から魅力ある都市づくりをスタートさせた日本の首都・東京。

具体的にはどのような取り組みをしているのでしょうか。

■東京都の取り組みとは?東京都における都市づくりの基本理念は、「世界の範となる魅力とにぎわいを備えた環境先進都市東京の創造」というもの。

これを実現するために東京都が取り組むべき施策の方向として基本戦略を7つ掲げています。

・広域交通インフラの強化・経済活力を高める拠点の形成・低炭素型都市への転換・水と緑のネットワークの形成・美しい都市空間の創出・豊かな住生活の実現・災害への安全性の高い都市の実現■具体的な例を挙げると……「経済活力を高める拠点の形成」として、「丸の内仲通り」の変貌があります。

以前の仲通りは銀行があり、午後3時にはシャッターが降り、夕方になると人通りも少なくなっていましたが、拠点作りへの誘導の結果、アフター5にはショッピングや食事を楽しむことができ、週末には演奏会や展覧会が行われる街に変化しました。

東京駅前ビル群は、1995年事務所用途95%、店舗用途5%でしたが、建て替えが行われた2007年には、ビル全体の床面積は約2倍になるとともに、店舗用途16%と3倍に増えています。

平日しか人がいなかった街から365日楽しめる魅力的な街へ変貌しました。

「水と緑のネットワークの形成」では、臨海部にあるゴミと残土の島を植樹により生まれ変わった「海の森」があり、そこからグリーンロードネットワークを形成するとともに、都心部へ海からの涼風を呼び込む「風の道」を確保するようになっています。

この風の道を確保するために、高さを50m以下に制限をしたり、ビルの間隔を開けるようにしています。

また、湾岸に面した一部のビルでは、中間階に穴を開けた形になったものとなっています。

並行して、都市開発など機会を捉えて、屋上緑化や壁面緑化もすすめています。

屋上緑化については、2000年には約2万3,000平方メートルであったものが、2009年ではトータルで102万3,000平方メートルの緑が創出されています。

屋上緑化の推進は、質の高い緑の創出を推進する施策の一環であり、現状では量的な面から普及が促進されており、効果も確認されています。

次に、「美しい都市空間の創出」では、特別史跡江戸城跡や史跡江戸城外堀跡を含む皇居の周辺を首都東京にふさわしい景観を維持していこうとしています。

また、東京駅丸の内駅舎を創建当時の姿に復元し、広場と行幸通り及び周辺地区を統一感のある街づくりをしています。

「災害への安全性の高い都市の実現」では、台東区谷中、品川区東中延、杉並区阿佐ヶ谷などの木造住宅密集地域で、老朽建築物等の建て替えを促進するとともに、道路・公園などの公共施設を整備していくようにしています。

また、緊急輸送道路を指定して、その周辺の建築物が倒れて障害が起きないように、建築物の耐震化を促すことで、非常時に交通網を確保するようにしています。

以上のように、東京都は都市計画の基本戦略を定め、これを各地区の特色に合わせた形で地区ごとに将来像を描いた都市計画を推進しています。

日々進化していく東京都、今後も注目していきたいですね。

参考:東京都都市整備局 http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kanko/mnk/(文・徳本廣明)プロフィール徳本廣明一級建築士・マンション管理士・宅地建物取引主任者など、建築設計に関する総合コンサルタント。

著書には建築専門出版社であるエクスナレッジ出版「中古住宅・マンションを正しく見分ける方法」がある。