【連載】Interian Color――色に囲まれて楽しい暮らし(社)日本パーソナルカラリスト協会 渡部尚子氏

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春は街のあちらこちらがカラフルです。東京では桜の開花が例年よりもかなり早く、ピンク色の風景はそろそろ終わり。今は木々の花、花壇の花、そして女性の服装にも、春らしさを感じる明るくて楽しい色をよく見かけます。
さて、私が色彩に興味を持ったのは、小学校の頃自宅にあった「色名事典」を見たときからです。たくさんの色が載っていて、しかもひとつひとつ名前が違うことに、とても驚きました。学校では12色の絵の具や色鉛筆を使っての図工の授業がありましたが、そこで使っている色と本に載っている色は名前が違うから、同じように見えて実は違うものなのかな、と不思議に思ったことを覚えています。

「たとえばひとくちに『赤』といっても、たとえば赤ワインのように、冷たい感じのするワインレッドの赤もあれば、神社の鳥居のように暖かみを感じる朱赤もあります」というのは、私がよくアンダートーンの説明に使う言葉です。「アンダートーン」というのは、色の心理的な感じ方で、青みが含まれたように感じられるブルーアンダートーンと、黄みが含まれたように感じられるイエローアンダートーンの大きく2つに分類することができ、この考えを基本にパーソナルカラーを評価、診断していきます。とはいえ、それぞれのアンダートーンの中にも赤は無数にありますから、一体「赤」は何色あるのでしょうか?あの人は赤が好きだと言っていたから、と赤い何かをプレゼントしても、その赤はその人が好きな赤とは違うということも充分に考えられるのです。

特にインテリアやファブリックの場合は、この色に加えて素材や質感が重要な要素になります。同じ染料を使ったものでも布の違いで色の見え方に差がでます。鮮やかで派手な色を柔らかい素材で使うと、そのイメージは色だけの持つイメージとはかなり違ってくるでしょう。私たちの生活には色は欠かせない大切なアイテムです。常に身近にあるからこそ、その使い方で自分の周りの環境がかなり左右されると思います。たとえば、同じアンダートーン同士の色は調和する、という考え方では、赤、青、黄、その他組み合わせる色を、暖かみのある赤、バナナのような黄、黄みを感じるターコイズブルーなど、色の中に黄みが含まれたように感じられる色で揃えると、全体に統一感が生まれ、心地よい空間が演出できると思います。

以前、500色色鉛筆を購入しました。「赤」だけで30〜40本くらい、それも微妙に色が違っているのです。「色好き」の私としては並べるだけで満足で、よくぞこのような色鉛筆を作ってくれた!と感激しましたが、実際に使ってみると、実は色鉛筆は筆圧や塗り方で色の出方が変わるので、ここまで微差だとあまり差がわかりませんでした。そう思ったにもかかわらず、続く500色クレヨンも迷わず購入してしまいました。特に使う予定もなく、ただ色に囲まれて、とても満足です。