今日、黒田の投球を初めてみた人は、「軟投派」だと思ったのではないか。変化球を中心にかわす投球だった。
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立ち上がりは、前回のリプレイを見るようだった。雨がふる寒いナイトゲーム。黒田はコントロールが定まらない。中前打にまた右手が伸びかけた。精神的にも前回の延長線上にあったのだろう。

前回に続きスプリッターが多い。カーブ、スライダーも。こうした球に手を出させて打たせて取る考えだったと思われるが、個々のボールの制球がばらつくうえに、シンカーという絶対的な球がない分、打者は容易に手を出さなかった。

1回に3失点。本塁打が出なくてよかったという内容だった。
黒田のようなベテラン投手は、シーズン初めの不調が、そのままローテ落ち、リタイアへとつながりかねない。

復活をアピールすることは、この試合だけでなく今後の投手生活でも非常に重要なのだ。

2回以降もシンカーや4シームなどは少なかった。しかしスプリッターが低めに決まり、スライダー、カーブの制球が良くなったので、無失点で6回まで行くことができた。

黒田は、立ち上がりと打者三順目くらいにピンチがくる。6回安打を打たれ、良い当たりの左飛を打たれた時点で降板。すでに球数は111球。良い時の黒田なら、80球くらいだっただろう。

それでも、黒田の「物語」はつながった。春先によくある「エンジンの係が遅い状態」とベンチも黒田自身も信じることができた。

指先の状態は万全ではなかったようだが、ここから本来の黒田の姿を見せてほしい。