ちなみに保護上限額は2015年8月から2016年8月までは2500万バーツ(約8000万円)、2016年8月からは100万バーツ(約320万円)となっています。ですがお金持ちを優遇するのはどの国も一緒。2500万バーツから一挙に100万バーツなんて、またひと波乱あるのは間違いありません【撮影/『DACO』編集部】

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バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。

読者からの相談:タイの預金保護制度額について
 創刊号から愛読している者です。先日、ある保険会社の広告記事に以下の叙述がありました。「金融機関への政府保証(ペイオフ)はこれまでの5000万バーツ(1億5800万円)の保証が8月には100万バーツ(320万円)の保証にかわる」と。そこでブンさんに質問ですが、
(1)私がある金融機関の元副頭取に聞いた話ではこれまで「全額保証」でした。真偽の程を確めたいと思います。
(2)銀行の経営状態をチェックするにはどうしたらいいですか。
(3)ついでですが、タイの相続税の成り行きはどうでしょうか。
以上、ご回答を宜しくお願い致します。(LOCO)


【ブンからの回答】

5000万バーツが保護上限

 銀行などの金融機関が破綻した場合の国による預金者(個人・法人・団体)の保護額は、2008年の8月11日から1年間はそれまでのように全額。2009年の8月11日からは1億バーツ(約3億2000万円)までを保護。2010年8月11日からは5000万バーツ(1億5800万円)まで、2011年8月11日からは1000万バーツ(3200万円)までが保護限度額となっていました。そして2012年3月の時点では、ご相談にあるように2012年8月11日からは100万バーツ(約320万円)までとする予定でしたが、その後、2015年8月までは5000万バーツまで保護されることになりました。減ったり増えたり当局も一枚岩ではないようです。

 保護は一金融機関あたり一預金者についてです。同銀行にいくつも口座をもっていても一預金者として保護されるのは2012年8月から5000万バーツまでです(2013年3月現在)。

 逆に連名での口座の場合、それぞれが一預金者とみなされますので、3人の連名の口座があれば最高1億5000万バーツ(4億8000万円)まで保護されます。保護される額は即日〜30日以内に入手できることになっています。

 保護を超える分については泣き寝入りかというと違います。破綻した金融機関を法的手続きにのっとって処理し、そのあとで全額ではないかもしれませんが返金されます。

 この法律はタイの地場の銀行のみならず外国の金融機関のタイ支店にも適用されていますが、住宅金融公社、農業共同組合銀行そして政府貯蓄銀行などには適用されていません。

銀行の経営状態

 経営状態を確認するのには一般に公開されているfinancial statements(財務諸表) が最適だと思います。通常、ウェブサイトで見ることができます。NPL(不良債権)の値をみて、比率が高いところやNPLの準備金が不足している金融機関は危険です。

 またBIS RATIO(国際業務を行う銀行の自己資本比率の算出に信用リスク、市場リスク、システムエラーや行員のミスであるオペレーショナルリスクを加えた国際統一基準。タイでは8.5%以上を達成するように中央銀行から指導されている)も見逃せません。

相続税

 議会で相続税についての話題が上ることはあっても今のところタイに相続税はありません(アユタヤ時代のもっと前の王朝では相続税があったようです)。

 もっとも私のような庶民にとっては、相続税の負担といっても微々たるものでしょうが。

(文・撮影/『DACO』編集部)