タイ 今年の経済成長予測を上方修正。 株価指数は18 年ぶりの高値更新!
2月の新興国株の相場はまちまち。中国やインドなどがやや調整局面に入る一方、成長期待の大きいインドネシアとフィリピンは過去最高値を更新した。これから注目すべきなのはどの国か?


景気刺激策が成功!ミャンマーなど近隣諸国の成長を享受

昨年に引き続き、2013年に入ってからもタイ株市場の好調が続いています。

タイの主要株価指数であるSET指数の動きを見ると、2011年後半の大洪水を底に、下値を切り上げながら右肩上がりで上昇中です。この2月上旬には、節目となる1500ポイント台に乗せ、約18年ぶり(1994年11月以来)の高値水準での推移が続いています。

その背景にあるのはタイ経済の堅調な拡大期待です。世界銀行は1月中旬に「世界経済展望」レポートのアップデート版を公表しましたが、その中で2013年の世界全体のGDP(国内総生産)成長率見通しを前回(昨年6月時点)から下方修正しました。先進国の景気回復が想定よりも遅れ、全体の足を引っ張っているというのが理由です。

一方で、ちょうど同じ時期にタイ中央銀行が発表した2012年と2013年のGDP成長率見通しは、ともに前回(昨年12月時点)より引き上げられています。

足元のタイ経済は、金融緩和政策の継続と消費刺激策が功を奏している格好です。タイの中央銀行は昨年10月に9カ月ぶりの利下げを実施、その後も目立ったインフレの兆候が見られないことから、緩和策が当面維持されると思われているほか、さらなる利下げ観測もあります。

また、タイ政府は首都のバンコクなど一部で最低賃金の引き上げを実施していましたが、これを今年の1月からは全国に拡大させており、可処分所得の増加による消費刺激も期待されています。

ちなみに、左の表は楽天証券が取り扱うタイ株の個別銘柄の売買代金ランキング・ベスト10です。内需関連株が多くランクインしているほか、上位の2銘柄についてはミャンマー関連株としても人気が高い銘柄です。

もっとも、SET指数については昨年から順調に上昇基調を続けてきたため、今後は利益確定売りによる調整局面も想定されます。

とはいえ、堅調な国内要因だけでなく、ミャンマーなど周辺のアジア諸国の成長が取り込める期待もあるため、今後もタイ株市場への注目度は高まりそうです。

土信田雅之(Doshida Masayuki)
楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト

新光証券などを経て、2011年10 月より現職。ネット証券随一の中国マニアでテクニカルアナリスト。歴史も大好きで、お城巡りと古地図収集が趣味。




この記事は「WEBネットマネー2013年5月号」に掲載されたものです。