米ニュージャージー州フォートリーで検討されている慰安婦の碑について、複数の地元紙が4日と5日に相次ぎ、設置を推進する韓国系団体の間で葛藤が起きていると報じた。地元住民らは騒動を受けて韓国人社会に反感を抱きはじめており、碑の設置自体にも強く反対しているという。複数の韓国メディアが報じた。

 騒動の発端は「日本軍強制慰安婦追慕委員会」が3日、フォートリー市議会で承認された碑の設置案について、表現やイメージなどの面で問題があると指摘したことによる。同委員会は、ニュージャージー州パリセイズ・パーク市に慰安婦碑を建立した団体だ。

 委員会は、設置案の「(慰安婦が)性接待(Sexual Service)を強要された」との文言や、旭日旗の模様と韓国の民族衣装を着た少女像が刻まれるという碑のイメージについて、望ましくないと主張。インターネット上で署名運動を展開し、市側に設置案を変更するよう要求した。

 フォートリーの市長や市議会議員らは、委員会側の訴えに戸惑いを隠せなかった。碑の設置計画は、フォートリーの韓国系団体の求めによって進められてきたものであり、4月27日には慰安婦碑を設置する方向で日程が組まれた状態だった。ソコリッチ市長は、「私たちが必要としているのは署名ではなく、すべての韓国人団体が合意した統一案」だと述べ、韓国系団体間で意見が分裂している状態に不快感を示した。

 韓国メディアは、「委員会の指摘は内容的には正しい」としながらも、「委員会が碑の設置を推進していた団体に修正を促すのではなく、署名運動を展開し、市長と市議会を圧迫するという戦略には問題があった」と指摘。騒動を報じた地元紙の記事(電子版)には、「設置は中止しろ」「慰安婦は韓国と日本の問題」などと碑の設置に反対する地元住民らのコメントが集まっていたと伝えた。(編集担当:新川悠)