銀行トリビア (23) 「当座預金」ってなに?

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「当座預金」というのは、企業などが業務上の支払いを小切手や手形でするためのものです。

ビジネスをしていると、売買代金など高額なお金のやりとりをすることになりますが、大きな金額のお金は持ち運びが大変だし、紛失や盗難のリスクもあります。

また、お札を数える手間がかかり、数え間違える心配もあります。

そこで、小切手や手形が使われます。

銀行と「当座勘定取引契約」を結んで当座預金の口座を開設すると、小切手帳や約束手形用紙が受け取れます。

例えば、A社がX銀行に当座預金の口座を持っているとします。

A社はB社にお金を支払うために、B社に小切手を渡します(これを「振出」といいます)。

そこには支払う金額「○○円」、振出人の名前「A社」、A社の口座がある銀行と支店名「X銀行α支店」が書かれています。

これは、A社がX銀行α支店に対して、「この小切手を持ってきた人に、この金額を支払ってください」という意味になります。

Bはその小切手をX銀行α支店に持って行って見せると(これを「呈示」といいます)、現金を受け取ることができますし、B社の取引銀行であるY銀行でも受け取りが可能です。

Y銀行はB社に支払った金額をX銀行に請求し、X銀行はA社の口座からその金額を引き落としてY銀行に払う、という流れになります。

手形もこれと同じ仕組みですが、小切手はそれを銀行にもっていけばすぐに現金に引き換えられるのに対し、手形には支払期日があって、その日にならなければ現金化できないという違いがあります。

銀行が小切手や手形の呈示を受けて振出人の当座預金からその金額を引き落とそうとしたとき、残高が1円でも不足していたら、小切手・手形の決済ができません。

これを「不渡り」といいます。

6カ月のあいだに2回不渡りを起こすと「銀行取引停止処分」となり、当座預金口座が利用できなくなります。

そうなると、ビジネスを続けられなくなることが多く、実質的に経営破たんということになります。

当座預金は一般的に大きな金額の取引に利用され、また不渡りを出すと銀行にも取引先にも迷惑がかかることから、当座預金の口座を開設するに当たっては審査があり、業務内容や決算の状況などのチェックを受けなければなりません。

逆に、大きな銀行に当座預金があると、審査にパスしたということになるので、特に中小企業などにとっては会社の信頼性やステイタスにつながります。

当座預金は資金決済のためのものなので、預入期限はなく、いつでも払い戻しができます。

また、お金を預けておいても利息はつきません。

万一銀行が破綻した場合、普通預金や定期預金は1000万円とその利息までしか保護されませんが、当座預金は全額保護されます。

このように、当座預金はいろいろな点で普通預金や定期預金と違っています。