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アベノミクス相場でにぎわい、週刊誌が軒並み株特集を組む中、株式投資に個人投資家の熱い視線が注がれている。それを実感させるイベントが2月に都内のホールで開催された。マネックス証券が顧客約3000人を招いて開いた「お客様感謝Day 2013」。土曜日の昼下がり、4時間半の長丁場にもかかわらず、続々と詰めかけた参加者で会場はびっしりと埋め尽くされ、専門家による講演やパネルディスカッションが次々と進行した。

なかでも注目されたのは、伊藤元重・東京大学大学院教授と松本大・マネックス証券社長の特別対談「2013年経済展望〜アベノミクスを読み解く!」だ。

金融緩和、財政出動、成長戦略という?3本の矢〞でデフレ脱却を目指すアベノミクスについて、伊藤教授は「金融緩和は日銀が2%の物価目標を掲げたことで、すでに円安や株高といった期待効果が表れている。昨年も日銀はかなりの金融緩和を行なっていたが、マーケットにうまく伝わらなかった。物価目標には金融緩和を行なうというだけでなく、将来も続けるという?未来への約束〞の側面がある。そのメッセージが明確に伝わり、評価された。ただ、従来はデフレ脱却の芽が出るとすぐゼロ金利や金融緩和を引っ込めていた。しばらく様子を見て、必要なら追加緩和に踏み切ることが必要」と発言した。

一方、松本社長は「11月に解散・総選挙が決まったとたんに市場は好転したが、絶妙なタイミングだった。海外の市場関係者と話す機会も多いが、昨年10月に東京で開かれたIMF総会から風向きが変わってきた。ここで日銀総裁が3月に変わることが再認識され、『外債を買えばいい』という議論も出たことで、『このまま円高方向に偏っていていいのか?』と肌で感じ、本国に持ち帰ってポジションチェンジしたようだ。各国の指導者交代を控えていったん外していたリスクを戻すタイミングと重なったことも大きい。円高是正により企業業績の回復が期待できる」と歓迎した。

伊藤教授はさらに「財政出動も補正予算にメドがつき、ほどなく需要に結びついて効果が出るはず。成長戦略ではエネルギー、環境、また高齢化、医療、介護といった分野をどう伸ばしていくかが課題」としたうえで、「今の日本は資金がジャブジャブ余っているのに、デフレマインドにどっぷり浸かって投資に回っていない」と指摘。企業のバランスシートの改善も進み、個人にとっても投資するには有利な状況と、デフレマインド払拭によるリスクオンの必要性を説いた。

最後には「日本を救うのは個人投資家」という点で意見が一致。「過去にとらわれず、変化に敏感になってほしい」(伊藤教授)というエールで閉幕した。

客席には熱心にメモを取る人の姿も。個人投資家の期待と熱気が伝わる一日だった。



この記事は「WEBネットマネー2013年5月号」に掲載されたものです。