投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、4月8日〜4月12日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、日本銀行金融政策決定会合での量的・質的金融緩和を受けて、本邦機関投資家による日本国債売却、外貨建て資産購入の資産配分を見極める展開となる。円売り材料は、本邦機関投資家による外貨建て資産への配分、朝鮮半島の地政学的リスク。円買い材料は、欧州債務危機からのリスク回避、米国景気減速懸念、日本の経常黒字。

【日本の2月経常収支】(8日)
 日本の2月の経常収支は、1月の-3648億円の赤字から、+4575億円の黒字になると予想されている。ドル高・円安要因としての経常赤字が黒字に転換することで、ドル・円の上値を抑える要因となる。

【ルー米財務長官の円安容認の限界】(11日)
 ルー米財務長官による上院財政委員会での証言では、安倍首相のアベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)、黒田東彦日銀総裁による異次元緩和を受けた円安に対して、どの水準まで容認しているのか、「ルー・シーリング」を見極めることになる。

【米国の景気減速懸念】
 米国経済は、春から夏場にかけて景気減速基調に入る傾向にあるが、今年は、歳出強制削減や「新規受注」の減少により、減速基調に入る可能性が高まっている。米国経済の低迷は、米国連邦準備理事会(FRB)の低金利政策の長期化、ドル金利低下から、ドル売り・円買い材料となる。

【朝鮮半島の地政学的リスクと欧州債務危機リスク】
 朝鮮半島の地政学的リスクが高まりつつあり、円売り要因となる。イタリアの再選挙の可能性、キプロス支援に向けたユーロ圏財務相会合での協議が難航した場合、欧州債務危機が再燃する可能性が高まることで、リスク回避の円買い要因となる。

【本邦機関投資家の外国債券・株式への資産配分】
 本邦機関投資家による新年度の投資配分では、安倍政権の円高・デフレからの脱却というリフレ政策を受けて、外国債券・株式への配分が増加することが予想されている。「円高・デフレ」に対応した円高ヘッジポジションの買戻しも予想されることで、円売り要因となる。

 4月8日〜12日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)2月経常収支 −− 8日(月)午前8時50分発表
・予想は、+4575億円
 2月の貿易収支は7775億円の赤字となったことで、経常収支にはマイナス要因。輸出の大幅な伸びは当面期待できない。米国、アジア諸国の経済成長ペースは想定の範囲内であり、貿易赤字は継続する見込み。経常収支が3月以降も継続的に黒字となるかどうかは微妙な状況。

○(米)3月小売売上高 −− 12日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、0.0%
 参考指標となる3月中のICSC週間小売売上高は、3月すべての週で前年比+1%超の増加を記録している。ガソリン価格は前月比+1.2%程度でガソリン・スタンド売上の増加要因。自動車販売台数は前月比-0.72%程度。チェーンストア売上高の増加で上振れの可能性がある。

○(米)3月生産者物価コア指数 −− 12日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、全体の数字が、前年比+1.3%、コアは同比+1.7%
 エネルギー省によれば、3月のガソリン価格は季節調整済みで前月比+1.2%程度。「全体」のコンセンサスは、前月比で若干低下か。11日発表の輸入物価指数の実績次第で市場コンセンサスは動く可能性があるが、予想は前月比、前年比ともに上昇の公算。

○(米)4月ミシガン大学消費者信頼感指数 −− 12日(金)日本時間午後10時55分発表
・予想は、78.3
 3月確報値は78.6←速報値71.8と大幅に上方修正された。ダウ平均は4月初旬にかけてやや堅調に推移している。3月ガソリン価格は若干の上昇でプラス要因。雇用環境の改善を考慮するとコンセンサスは妥当か。

 主な予定は、10日(水):(米)3月財政収支、11日(木):(米)3月輸入物価指数、12日(金):(米)2月企業在庫。

【予想レンジ】
・ドル・円95円00銭〜100円00銭