セレモニーでは200人以上がMD-90を囲んだ

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故・黒澤明監督による虹をモチーフにしたデザインで親しまれた日本航空(JAL)のMD-90型機の退役セレモニーが2013年4月5日夜、羽田空港内の格納庫内で行われ、200人以上の社員が参加した。パイロットや客室乗務員(CA)が「離陸時の姿の美しさでMDに勝るものはない」などと次々に思い入れを披露した。

3月30日にラストフライト終える

MD-90は往年の名機とされるDC-9型機の改良型で、日本では1996年に当時の日本エアシステム(JAS)が導入。地方路線を中心に活躍し、最も多い時で17機が日本の空を飛んでいたが、破たんしたJALの更生計画で退役の方針が決まり、2013年3月30日に最後の1機がラストフライトを終えた。

地方路線を中心に活躍してきた日本航空(JAL)の中型旅客機、MD-90型機が2013年3月いっぱいで退役することになり、3月30日夜、ラストフライトを終えた。

最終日には後方階段下ろして遅れが広がる

退役セレモニーでは、旧JAL塗装の白い機体にプロジェクターで就航当時のデザインが映し出され、社員からは歓声もあがった。ステージには次々にパイロットやCAが登壇し、ラストフライトでのファンの熱心さを振り返った。

 

MD-90ならではのエピソードも披露された。MD-90は後方から地面に階段を下ろせる仕組みが特徴だ。フライト最終日の目的地のひとつが熊本空港で、現地で後部座席のアームレスト(肘掛け)を修理することになったが、すでに遅れが出ていたため、乗客を前のドアから下ろすのと並行する形で、整備担当者が機体後方の階段から機内に入る段取りになった。これを見つけた乗客が後部の階段に殺到。写真撮影会が始まり、かえって乗客が降りるのが遅くなってしまったという。このCAは

「離陸時の姿の美しさでMDに勝るものはない。スマートな鉛筆のようなボディーが、まっすぐに空に向かっていく姿が大好きで、ほれぼれとして見ていた」

と退役を惜しんでいた。

 

MD-90は福岡-宮崎線を飛ぶことも多く、キャンプ地に移動する福岡ソフトバンクホークスや読売巨人軍の選手も利用した。

「すごい近いなか、(選手らと)お話できた貴重な思い出が…。MD-90様々でした」

と表情をくずすCAもいた。

MD-90は米国企業に売却されて現役を続行することが決まっており、5月下旬にも移送される。