いや、深夜だから炭水化物が食べたいんだ『深夜特急めし109』
初めての一人暮らしでの一番の不安はやっぱり食事。
栄養バランスなんて考える以前に、毎日作る・食材を買う・下ごしらえ＆後片付けって、結構めんどうですよね。
一人暮らし上級者でも、料理だけはコンビニ＆外食ですませちゃう、って方も多いことでしょう。
そこでオススメしたいレシピ本が『深夜特急めし109』。
とにかく調理が簡単で、食材調達もコンビニで買えるモノばかり・109品のレシピが勢揃いしております。
1番線：冷凍ご飯があれば
2番線：スパゲッティはかんたんだ
3番線：豆腐だったら食べられる
4番線：冷凍うどんに救われる
5番線：そういえば、そうめんがあった
6番線：今夜はひとり鍋
炭水化物ばっかり！
いやいや、だってそうだよね。ハラが減ったら炭水化物だよね。呑んだ後の深夜の〆は、炭水化物以外あり得ないよね。
昨今、様々な細分化がされているレシピ本のジャンルでも「深夜めし」「終電ごはん」「遅ごはん」などは人気のキーワード。
でも、その多くは「深夜だからこそヘルシー」なものが多いのが実情です。そして、人気の炭水化物抜きダイエットなど、いつの間にか「炭水化物＝悪」の風潮が出来つつありましたが、このレシピ本はそんな世間の空気に断固立ち向かってくれるようで嬉しくもあります。
また、一人暮らしに嬉しい「電子レンジの活用術」も随所にちりばめられているのがありがたい。
温泉たまごをレンジで爆発させずに作る方法だったり、冷凍うどんが電子レンジでチンできるって恥ずかしながら知りませんでした。
帰宅してまずレンジに冷凍うどんをIN。着替えている間の3分で解凍し、卵・醤油をぶっかければ簡単釜玉うどんのできあがり。
帰宅してから5分とかからず食事も終了ですよ。
各レシピは、作りやすさのレベルを電車になぞらえ、「超特急」「特急」「急行」の3種類に分類されています。
「超特急」はズボラで料理ベタの人でも心配いらず。誰もがすぐ作れる超ラクなもの。
「特急」は手軽な調理や、コンビニにある食材で調理できるもの。
「急行」は調理時間が少しかかったり、ちょっとしたお洒落食材が登場するもの。
帰宅時間、お腹の好き具合、冷蔵庫の中身と相談しながら何を作るか検討するのにもってこいでしょう。
個人的にお気に入りだったのが「5番線：そういえば、そうめんがあった」。
そうめんって確かに簡単だけど、食べ方にバリエーションがないことがネックでした。
でも、本書にある10個のそうめんレシピはどれも独創的。しかもそうめんだから簡単で、食べ応えがあるものばかり。
マヨネーズたっぷりの「ふわとろツナ卵のっけめん」、ラーメンよりもタレがからむ「油そば風そうめん」などなど、もうデブまっしぐらだよ。そうめん、製造の過程で油が使われているからただでさえカロリー高いのに……でも、やめられないんだよなぁ。
著者・ヤスナリオは、掛け軸やふすまをつくる「表具師」が本職。料理が本業ではないため、ここでは「料理勉強家」を名乗っています。だからこそ、肩ひじ張らない手軽さと実用性を兼ね備えた点が使いやすい。
この春、一人ぐらいしデビューの皆さん、本書で一緒に「料理勉強家」デビュー、いかがでしょうか。
（オグマナオト）
