いま、青山学院大学出身の女子アナウンサーが増えている。民放キー局の女子アナの出身大学をみていくと、00年以降では、慶應義塾大学(24人)に次いで2番目に多い12人を青学が輩出している。

この急増の謎を紐解く鍵のひとつが、青山学院大学の独特のキャンパスの立地にあるようだ。以下は、青学の現役女子学生の証言。

「1、2年生は相模原キャンパスだったんですが、学校に徒歩で通えるところに住んでるコもいました。そういうコたちはジャージやスウェットでよく大学にきていたんですが、でも、青山キャンパスとなると、そうもいきませんよね」

青学の文系学部の学生は、1,2年生の間は03年に開校した相模原キャンパスに通う。その後青山キャンパスに移ると、「人の目を気にすることで、ファッションも、化粧も洗練されていく」という。

都心と、そこから遠く離れた場所の両極端な環境を経験することで、青学出身者に共通して見られる “垢抜けてはいるが、まだ純朴さの残る独特の雰囲気”が醸成されるようだ。これが、女子アナにとって大切な親しみやすさにつながっているのではないか。

さらに青学の教育方針も見逃せない。キリスト教の米国人宣教師によって創設された青学は、英語教育に力を入れていることで有名だ。帰国子女が多く、さらに留学する学生も多い。留学経験のある三田友梨佳アナがプロ野球の外国人選手に直接英語でインタビューをしていたように、語学力は仕事の幅を広げる大きな武器となる。

今回は、青学OGで元フジテレビアナウンサーの木佐彩子さんに、学校で学んだことについて聞いてみた。

――青学に進学してよかったなと思う部分はどういうところでしたか?

「青学のいいところだと思うんですけど、“困った人がいたら、声をかけましょう”的な感じなんですね。青学は、人と争って上に立ちましょうという教育とか、リーダーになれっていう教育ではない気はしますね。むしろ”仲間で助け合おう”とか”仲間同士で頑張ろう”とか。すごく仲間を大事にするっていう教育だと思いますね。だから今でも同級生とはすごく仲がいいですよ」

――キリスト教系の学校らしい校風ですね。そういう校風はアナウンサーというお仕事をするうえで役立ちましたか?

「アナウンサーって、“自分が自分が”じゃないんですよ。そんなことよりも、出ていただいた皆さんに、”いかに気持ちよくしゃべってもらって、帰っていただくか”が大事だと思うんです。私のイメージでは“番組のエアコン”だと思っているんです。こちら側で、皆さんがしゃべりやすいように温度調整しつつ、話を振られたら、そこでちゃんとリアクションして…。本当に空気コントローラーというか。そういう意味では、青学の校風はよかったのかもしれません」

――青学の後輩の女子アナたちを、先輩としてどうみていますか?

 青学出身の女子アナが増えたことは正直に嬉しいですね。みんなうまいなって思います。昔はしゃべれなくなっちゃったとか、頭真っ白になっちゃった、みたいな人もいましたけど、最近はあまり見ない。きっとテレビに出るってことが身近な時代になったんでしょうね。

ここ10年で一気に増えた青学出身の女子アナ。今後も、先輩の活躍に刺激を受けた後輩たちが、次々とそこに続いていっても不思議はない。

(週刊FLASH 4月16日号)