「万引き」だと疑われる行動をしていませんか?

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やる方は軽い気持ちだったとしても、万引きは店舗にとって大きな損失になります。

それを防ぐために登場するのが、店内を私服で巡回している保安員、万引きGメンです。

とはいえ、店内で「私服警備員巡回中」という張り紙はみたことがあっても、実際に彼らの存在に気づくことはほとんどないですよね。

そこで、万引きGメンに突撃取材。

万引きしそうな人の見つけ方、万引きをした人への声のかけ方などを訊いてきました。

お話をうかがったのは、全国警備保障、万引き防止対策室顧問の伊東ゆうさん。

万引きGメン歴12年の伊東さんは、今までおよそ3,500人以上の万引き犯を捕捉されています。

――どうやって万引き犯を見つけるのですか?「万引きをしようとしている人は、挙動が不審なのでわかります。

また、大抵、何かにとりつかれたようなとても怖い目をしています。

そんな人を観察していると、残念ながら万引きすることが多いですね」――万引き行為を目撃したときはどうするのですか?「気付かれないように、目を離さずに追尾して、手に取る商品や隠匿の瞬間を見る努力をします。

私たちが追尾していることに気づかれれば、逆に因縁をつけられることもありますから、万引き犯に気づかれないようにすることが大切です。

そして、未精算の商品を持ったまま、店の敷地の外に出たら声をかけて捕捉します」――万引きGメンは特殊な職業だと思うのですが、どんな人が向いているのですか?「一人でいられる人、一日中歩けるほどの体力がある人、度胸がある人、人が好きな人。

あとは気配を消すのが上手な人でしょうか。

一般的には、万引きGメンではなく保安員と呼ばれることが多いです」――女性だと、万引き犯に攻撃されそうで怖いですね。

「いえ、攻撃されることはあまりないと思います。

どちらかというと、万引き犯は逃げることを考えるのです。

また、女性が優しく声をかけた方が、万引き犯はおとなしく従うという考え方もできます」――失礼ですが、間違ったりすることはないのですか?「キャリアの浅い人ならあり得ますが、ベテランが誤認することは、まずありません。

あるとすれば、こちらの気配に気づいた万引き犯が、途中で商品を捨てているのに気付かないままに声をかけてしまった場合など、特殊な事例が多いですね」――万引き行為を目撃した瞬間に、店内で声をかけることはしないのですか?「法的に問題があるわけではありませんが、現在の日本では、店内でポケットやバッグに商品を隠匿されても、店の外に出るまでは声をかけません。

私たち保安員は、何ら特別な権限を持たないので、言い訳できない状況が訪れるまでは捕捉しないのです」――え!? そうなんですか。

極端な話、あきらかに商品を略奪していたらどうなのでしょう?「それでも同じです。

これは日本独特の考え方で、ほかの国では店内にいるときでも、商品をバッグなどに入れたらそれを万引きとみなして対処しています。

ですから、こうした現在の不自然なルールは改善されるべきだと考えます。

もし、万引きをする前に声をかけてあげれば、万引きを未然に防止できますよね。

コソコソと犯罪行為を見守って、捕まえて警察に突き出すというのも、捕捉人数が2,000人を超えた頃から、むなしさを感じるようになりました。

ずっとイタチごっこを繰り返している今のやり方には疑問を覚えるし、万引き犯を捕捉するというよりも、万引き行為を中止させるという方向での抑止対策が必要だと考えています」2011年から、香川県警と香川大学の共同事業である「子供安全・安心万引き防止対策事業」や「香川県万引き対策協議会」のメンバーにも抜てきされている伊東さんは、「店内声かけ」の普及に努めています。