新指導部が正式に発足。目指すは「美麗中国」
今月の注目国−?
日本にも飛来する「PM2.5」。当然、中国本土では大きな問題だ。注目は環境関連銘柄か。


中国では環境汚染対策に3500億元を投下
米国の度重なる金融緩和による投資マネーの流入と中国の景気回復基調が、香港市場にとっての追い風となっている。とはいえ一方では、中国本土の新たな不動産引き締め策「国五条」の発表や春節明けの本土市場の低迷から株価はややもたつき気味だ。

香港ハンセン指数は、過去にも上値として意識された2万4000ポイントが今回も抵抗線として強く効いている。目先は50日移動平均線を下回ったことや、両会(人民代表大会・人民政治協商会議)という一大イベント通過により、軟調な地合いとなりそうだ。下値メドは2万2000ポイントあたり。

中国では新指導部が正式に発足、中長期的には中央政府が掲げる「都市化の推進」や「内需拡大」への取り組みが注目される。

これに加えて、急速に政治的な重要テーマとして浮上したのが「環境問題」。1月中旬以降、中国各地で大気汚染による濃霧が発生、また深刻な水質汚染も話題になった。

中国当局は環境汚染が原因とされるガン発生率の高い「ガン村」の存在も初めて認めた。一部民間調査によると、このような村が中国全土に約400カ所もあるともいわれる。

こうした中、環境保護部は3月1日から主要地域の大気汚染排出への監視強化を行なうとともに、第12次5カ年計画期間に総額3500億元(約5兆2000億円)を大気汚染対策に投じるとした。

持続可能な経済成長へと構造改革に取り組む中、「美麗中国(美しい中国)」に向けて環境汚染対策が図られている。

龍源電力集団(風力発電)
風力発電事業が主軸の電力会社。中国5大発電集団の一角である中国国電集団の傘下企業。風力発電所の設計や開発、建設、運営のほか、火力や太陽光、地熱、潮流発電なども手がける。

中国財政部、国家発展改革委員会、国家エネルギー局が1月7日に共同で発表した「再生可能エネルギー
の補助金付与の対象となるプロジェクトリスト」によると、496プロジェクトのうち風力発電が4分の3を占めた。再生エネルギーを拡大させる政治的な動きの中でも、風力発電は特に恩恵を受けそうだ。

恒安国際集団(家庭用衛生用品)
中国の家庭用衛生用品メーカー大手。ティッシュペーパーの「心相印」、女性用生理用品の「安爾楽」、紙おむつの「安児楽」などのブランドで知られる。

消費者の衛生意識の高まりに加えて、子供用紙おむつの市場拡大余地が大きい点に注目。欧米では紙おむつ普及率が90%超、一方、中国ではまだ39%(2011年)にとどまっている。

また足元では、高品質で安全な商品を購入する傾向が強まっているため、高付加価値かつ高利益率の製品へとプロダクトミックスが移行してきている。

忍足眞理(MARI OSHIDARI)
岡三香港 ストラテジスト

岡三証券の香港支社で中国株およびASEAN(東南アジア諸国連合)株を担当。現地から投資家に向けてレポートを発信している。現地ならではの情報満載のレポートは読み応えあり。



この記事は「WEBネットマネー2013年5月号」に掲載されたものです。