『赤毛のアン』に似ていると、言われます!?

 引き続き、酒井若菜さんの読書遍歴をお届けします。最近読んだ印象的な本は何ですか?

「モンゴメリの『赤毛のアン』です。村岡花子さんが訳をされている新潮社の文庫なのですが、"ちょっと若菜ちゃんに似てるような気がする"って、友人が勧めてくれたんです。すごく面白かったですね。まず訳の仕方がすごくかわいらしいんです。ニュアンスの伝え方などに愛嬌があって・・・とにかくかわいいのひと言です! 主人公のアンもそうだし、彼女を見守っている家族も、プリンスエドワード島の人たち全員がかわいくて、すごく素敵なお話でした」

 似ていると言われた理由に、思い当たる節はありました?

「アンは本が好きで、空想をすることがすごく好き。そして、物事をポジティブに変えるのが、とても上手な子なんです。私自身、元々そういう気質ではないのかもしれませんが、そんな風にありたいと思って生きているので、すごく共感をしました。彼女みたいに明るい思考を持ちたいなと思いながら読んでいましたね」

 ちなみに、翻訳にもこだわるタイプなんですか?

「正直、洋書を読む機会があまりなかったというか、あまり好んで読まなかったんです。でも、村岡花子さんの訳は親近感のある日本語といいますか、まったく抵抗なく読めるんです。私の中では、最も好きな翻訳家ですね。村岡さんが翻訳を手がけた『トム・ソーヤーの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』も大好きです」

 ところで、ひとつの仕事を終えたご褒美に、楽しみにしていた本を読む"ご褒美読書"が多いという酒井さん。ついこの間ご褒美にしたのは、水道橋博士の『藝人春秋』だったそうです。

「博士さんとは10年以上前にお仕事をご一緒させていただいて以来、すごく怖い方というイメージをずっと引きずっていました。でもそれは私の勝手な誤解だったということに、最近になってようやく気付けたのですが・・・(博士さんとの詳しいいきさつは、酒井さんのブログ http://ameblo.jp/wakana-sakai/entry-11439648965.htmlをご参照ください)。『藝人春秋』は、発売時期がちょうどドラマの撮影と重なっていたので、これが終わったらご褒美にしようって決めていました。買うつもりでいたのですが、撮影中に博士さんが送ってくださって。嬉しかったですね。そして、すごく愛情のある本でした。面白くて優しくて鋭くて、あらゆる要素が入っていて。とっても面白く読ませていただきました」

 酒井さん曰く、『藝人春秋』をひと言で説明すると「きてれつな人たちがいっぱい出てくる本」。

「稲川淳二さん、テリー伊藤さん、湯浅卓さん・・・。『藝人春秋』というタイトルから、お笑い芸人の方をピックアップして書いた本という風に思われている方もたくさんいらっしゃるようですが、そういう意味での"芸人"ではなく、まさに"藝"の人という感じでしたね」

 最後に、本が大好きな酒井さんにとっての、活字の魅力とは何ですか?

「活字って、その人の人間性がむき出しになるようなイメージがあります。どんなに取り繕おうとしてもできない、どこかに人間性が滲んできちゃうもの。そういう部分が、すごく魅力的だなと思います。それこそ『藝人春秋』についてのブログでも書いたことがありますが、本を通した"縁"って間接的なもののように思えて、実は本ほど、活字ほど直接的な繋がりってないんじゃないかなって思っているんです。本、活字は、人間同士の内面のふれあいではないかなと、思うんです」


酒井若菜
さかい・わかな/1980年栃木県生まれ。女優。1995年デビュー。ドラマ『木更津キャッツアイ』や『シングルマザーズ』、映画『恋の門』『白磁の人』など数多くの作品に出演。また、2008年には初の著書『こぼれる』、2012年にはエッセイ集『心がおぼつかない夜に』を発売。映画『遺体〜明日への十日間』が、全国公開中。

取材・文=根本美保子



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