「コカ・コーラ ゼロ」のブランド担当者・助川公太さん

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ボトルキャップをひねり、プシュと音をさせ炭酸飲料を飲む姿――ここ数年で見かける回数が増えた光景だ。ゼロカロリーを売りにする製品の登場により、炭酸飲料を控えていた人が再び口にするケースも少なくない。

なかでも、人気の「コカ・コーラ ゼロ」は2007年の発売から5年間で、販売本数が50億本(1本約237ミリットル換算で)を突破。ゼロ系炭酸飲料カテゴリーでは、ナンバーワンの売り上げを誇っている。2013年2月からは、新たに「Zero Limit」キャンペーンをスタートさせ好調だ。

「不可能を可能にした革新的で挑戦的な製品」

「コカ・コーラ ゼロ」が登場した背景には、2000年代に高まった健康志向がある。「コカ・コーラ ゼロ」発売まで日本コカ・コーラでは、オリジナルのコカ・コーラに加え、20〜30代女性向けには「ノーカロリー コカ・コーラ」というような製品展開をしていた。健康を気にするのは主に女性とされていたため、この分類でニーズに対応できていた。

ところが、コカ・コーラ ゼロのブランド担当者・助川公太さんによると、「2004年から2005年あたりに無糖茶ブームなど健康志向が高まったことを背景に、男性でもカロリーを気にしてコカ・コーラを飲む頻度が減ってきました」という。

そこで、すでに2005年にアメリカで販売がスタートしていたコカ・コーラ ゼロを、日本でも20〜30代の男性向けに販売することを決定。アトランタ本社の開発チームとの協議を重ね、複数のプロトタイプの中から日本の消費者から最も支持を集めたものを選んだ。健康志向を背景に登場した製品だが、黒を前面に押し出したデザインで売り出し、力強いイメージを訴求した。

「単なる健康飲料という位置づけではなく、コカ・コーラ ゼロは味の濃さと健康感という、通常であれば相反する2つの価値を両立させた、不可能を可能にした革新的で挑戦的な製品です」(助川さん)

コカ・コーラ ゼロは発売から約1か月で年間販売目標を達成し、当初の予想を超えて男性だけでなく女性にも受け入れられるようになった。

「3つのゼロ」でネガティブイメージを払拭

その後、カロリーゼロの炭酸飲料を扱う競合製品も複数登場したが、「コカ・コーラ ゼロ」の売上は、2月に新キャンペーンを開始してから前年比2桁増と、順調な推移を続けている。その理由の1つに、同製品の特徴を表す「カロリーゼロ」「保存料ゼロ」「合成香料ゼロ」という「3つのゼロ」を打ち出している点がある。

助川さんは、「おいしいものは体に悪いものが入っているというイメージが持たれやすいです。そこで、コカ・コーラ ゼロは、コカ・コーラのおいしさを強調しながら『3つのゼロ』の特徴を打ち出すことで、ネガティブなイメージを払拭し、消費者に『気づき』を与えられました」と胸を張る。

また、コカ・コーラという確固たる製品があり、そのカロリーゼロ版として展開しているところに優位性があるという。カロリーゼロ飲料の多くは、健康を入り口に製品の特製を伝え、味については二の次になりがちだ。「まずコカ・コーラ独特の味、次に『3つのゼロ』という順番で伝えることで、相乗効果を生み出せました」と助川さんは話していた。