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自宅近くの空地にかねてから目をつけていて、
銀行からその土地を担保に借り入れを起こして取得したのは10年前くらい前。

木造の平屋を建てて事務所にした。

売上は50億くらいになっていたが、
本部の人間は僕と山の神二人。

自宅じゃないところに事務所を持つなんて
贅沢すぎて罰が当たるんじゃないかと思ったが
「会社として不動産のひとつも持ったほうがいいですよ」という
銀行マンの甘言に乗ってしまった。

その事務所の時代に株式上場の話が出て、
さんざん迷った挙句にキック・オフ・ミーティングを敢行し
組織を上場体制にシフトした。

10人弱の本部人員を収納するにはあまりにも手狭で
不合理にしつらえた事務所だったので、
やむなく三好というところに事務所を移転。

上場準備はその事務所で本格的に活動を開始した。

自宅近くの事務所は山の神が会社から買い取って、今僕が使っている。
家賃を彼女に払っているので大家と店子の関係にある。

我が山の神はこういうところははなはだ水臭い。
敷地の大部分を占めている芝生のメンテナンスは店子の仕事である。

中に入ることはほとんどないが、
店訪問のときに買ってきた商品で埋め尽くされている。

今も増殖している。

本、レコード、CD、DVD、ジッポー、ミニカー、万年筆、
ミニカー、おもちゃ、灰皿、電話器、トースター、ラジオ、おバカなグッズ、
大物ではGEの冷蔵庫、ワリッツアーのジューク・ボックス、電気自転車、
変わったところではスターリングエンジンなどが
VVで買い物したときの袋のまま雑然と置かれている。

老後の楽しみに集めている。

事務所のなかを丁寧に掃除して、買い集めたものを
棚やビリヤードテーブルに嬉々として並べる時を想像するのは今から楽しい。

僕が店主で客は僕一人の理想的な空間。買った店と買った年月日をラべリングしたい。




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■プロフィール■ 

菊地敬一
ヴィレッジヴァンガード創業者。

1948年北海道生まれ。
賞罰共になし。
原付免許、普通自動車免許、珠算検定6級 保持。
犯歴前科共になし。

大学卒業後、書店勤めを経て、39歳で独立。
名古屋で、遊べる本屋『ヴィレッジヴァンガード』を創業。
独自のセレクトとPOP、ディスプレイで
「変な本屋or雑貨屋」としての地位を確立し,
396店舗を展開するに至る。