不動産相続にまつわる5つのポイント




日本は高齢者の人口が増えています。つまり、これから亡くなる人が増えるというわけですから、当然「相続」に焦点が当たります。不動産相続に関して、何に気を付けるべきか、不動産業者に聞きました。





――不動産の相続問題が起こった際に何に気を付けるべきかを教えてください。



ポイントを5つ挙げます。ただ、実際に相続が問題になってからジタバタするのではなく、これらのポイントは事前に確認しておくべきです。



●不動産の把握

●不動産の評価

●事前の準備

●節税対策

●人間関係



■不動産の把握



まず不動産の把握です。「えっ。そんな土地があったの」なんてことがまま起こります。日本では「相続財産に占める土地の割合が約7割」というデータもあります。ですから相続対象となる不動産を事前にしっかり理解しておきましょう。



平成27年度より相続税が増税となり、相続税の対象者が増えることにも留意してください。



■不動産の評価



日本の相続税はとても高いです。累進課税制で金額が大きくなればなるほど税率が上がり、このおかげで「相続破産」なんてことが起こります。というのは、かかった税金を支払えればいいのですが、相続する財産が「現金」でない場合には、税金を支払うのに現金を作らなければならない場合が往々にしてあるのです。



ですから相続する不動産があるのでしたら、それが「いくら相当」になるのかを確認しておかなければなりません。不動産鑑定士に金額を算定してもらうのが最も確実です。不動産鑑定士の作成した書類は税務署に提出できるエビデンスになります。



■事前の準備



相続税は相続発生から10カ月以内に申告する義務があります。「どうしよう、どうしよう」なんて言っていると10カ月なんかすぐに過ぎてしまいます。



亡くなると想定される方にとっては「不快」かもしれませんが、準備しておくことはとても大事です。いざ、その方が亡くなってからどたばたするよりも良い方法を選択できることが多いのです。



例えば、父、母、お子さんが二人、そしてお父さんが土地を持っている場合を想定してみましょう。お父さんが亡くなった場合、その土地をどうするかが問題になります。こういった場合、あらかじめ、その4人で会社を作っておくという準備をすることがあります。



会社を作ってその土地の所有権をその会社に移しておくのです。相続税と所有権の委譲に関する費用(譲渡所得にかかる税金など)をてんびんにかけて損得を計算する必要があります。しかし、不動産の処分といった事態になることを避けられることが多くあるようで、この方法を選択する人もおられます。



■節税対策



前述の「会社を作っておく」もそうなのですが、すべては節税対策に尽きます。どうすれば税金が安くなるかを考えることが最重要でしょう。土地の場合には、税金の額はその土地がいくらと評価されるかによって決まります。



ですから、評価額をいかに下げるかはとても大事です。もちろん国が「公示価格」というのを発表しており、そこから全くかい離した数字を出すことは難しいですけれども、それでも不動産鑑定士さんと仲良くなっておいた方がいいかもしれませんね(笑)。



また評価額を下げるためにマンションを建てるといった荒技を使う場合もありますが、現在ではあまりお勧めしません。というのは、賃貸物件は全体的にやや供給過多の状況ですから、入居者は入るのかといった新しい心配事を背負い込むことになりますので。そういった荒事の前にできることはあるはずです。



そのほか、贈与税の活用も一つの対策です。「110万円の控除」「相続時精算課税制度」などの制度があることを理解しておきましょう。



■人間関係



不動産業者の言うことではないかもしれませんが、人間関係が不動産相続のもめ事で徹底的に壊れてしまうことがあるんです。こじれてしまうと間に誰が入っても物事が前へ進みません。



名義変更、売買などが発生した場合、私たちのような不動産業者が仲介することが少なくありませんが、人間関係が壊れていると進むものも進みません。ぜひ不動産の相続が発生しても、どうか人間関係には気を配っていただきたいと思います。



――なるほど。人間関係ですか。



もしかしたら「人間関係」こそ最も気を付けるべき点かもしれません。







(高橋モータース@dcp)