「重版出来」と書いて何と読む? 女性のお仕事マンガが面白い

 本の広告などで見かける「重版出来」の文字。これ、どう読むか知ってます? 「じゅうはんでき」だと思ってた人、多いんじゃないでしょうか。

 正解は「じゅうはんしゅったい」。売れ行きがよくて在庫が少なくなった本の重版(増刷)分が刷り上がって、店頭に並ぶことを意味します。作家や編集者など、出版関係者にとっては何よりうれしい“シアワセの呪文”なのですね。

 そんなめでたい四文字熟語をそのままタイトルにした話題のマンガが『重版出来!』(松田奈緒子/『月刊!スピリッツ』連載)。とある出版社の週刊マンガ誌編集部に配属された新米編集女子・黒沢心(くろさわ・こころ)を中心に、漫画家、編集者、営業マン、書店員など、マンガに関わる人々の熱い思い、仕事にかける情熱を描いた作品です。

 体育会系の主人公・心ちゃんの奮闘ぶりもカワイイけれど、本気で仕事に取り組む人たちの姿に目頭を熱くする人が続出!

「多くの取材を重ねて作っている作品ですが、取材のたびにマンガに関わる誰もが愛情を持って働いていることを痛感します。その熱を著者の松田さんが吸収して描かれる。担当の私自身が毎回毎回そのドラマに泣かされています。マンガ業界に興味のある人はもちろん、働くすべての人にエールを贈る作品です」(担当編集者・山内菜緒子さん)

 作者の松田奈緒子さんは、『レタスバーガープリーズ.OK,OK!』や田中麗奈主演のドラマ『派遣のオスカル』の原作である『少女漫画』などで知られ、今回が初の青年誌での連載。

「最初はもうちょっと大人の女性を主人公にして『火曜日は校了だからデートできない』っていうんで、『火曜日はダメよ』というタイトルを考えていたんです。でも、担当さんに『もっと出版に関わる人たちみんなを表すようなタイトルを!』と言われて、じゃあ『重版出来!』でという感じで決まりました」と松田さん。

 これまでの作品と比べると、王道の“お仕事マンガ”という感じですが……?

「若いうちはちょっとカッコつけたものを描きたかったんですけど、年をとるとともにナニワ節的なものがいいなあと思うようになって(笑)。あと、震災なんかもあったので、ゴチャゴチャしたものより、寝る前に読んでみんなが元気になれるマンガが描きたいなと思ったんですね」

 単行本第1集発売に伴い、特設サイトで試し読みもOK。(http://spi-shogakukan.com/jyuhan/)

 単行本の「部決」=部数決定会議を巡る、編集部と営業部の攻防戦を描いた回で、「5千部スタートですと、全国の書店に行き渡らないばかりか少数入荷のためどうしても棚差しになってしまいます」といったセリフに、ツイッターでは「めっちゃリアルだなー」なんて声もあったりして。

 最近では『重版出来!』のほかにも、新米女性弁護士の悪戦苦闘を描く『そこをなんとか』(麻生みこと)、検察審査会事務局の女性事務官が主人公の『理不尽のみかた』(柳原望)、音楽業界が舞台の『オンナミチ』(北沢バンビ)、不夜城のようなデザイン事務所で仕事と恋に頑張る『午前3時の無法地帯』(ねむようこ)、ラジオ局で働く人々を描く『満ちても欠けても』(水谷フーカ)など、働く女性が主人公のマンガがたくさん。仕事に疲れたときのビタミン剤代わりに、ちょっと読んでみてはいかが? <TEXT/女子SPA!編集部>