悔やんでも悔やみきれない。この悔しさをどこにぶつければいいのか?ブラジルW杯最終予選・ヨルダン戦、後半15分のお粗末な2失点目。

日本がまさに2次攻撃を仕掛けようとした最中、左サイドで事は起きた。失点する1分ほど前に今野選手はまだ、センターサークル付近にどしっと構えていた。

岡崎選手からの右クロスを香川選手が2タッチしてもシュートを打ち切れず、クリアされる。酒井高徳選手が浮き球をうまく処理して、絶好の2次攻撃の場面。相手を左にかわして、イッキに攻め上がろうとしたが、突っかかってしまう。ここまではやむを得まい。

カットし、倒れこみながらも外に開くようにボールを出したヨルダンの7番。スルスルっと今野選手まで寄ってカバーに入ろうとしたが、虚を突かれた形で対応できず。コロコロと左スペースに転がっていったボールに、中央から全速力でアプローチしてきた相手の10番と酒井高徳選手が競っていく。だが、相手のタッチの方が早い。

日本の左サイドをスピードに乗ってグイグイ前へ突進していく相手10番に酒井高徳選手は追いつけない。すぐさま吉田選手がカバーに入るもあっさり振り切られてしまう。なぜ、ここでファール覚悟で止めなかったのか?センターバックの振り切られ方としてはお粗末すぎやしないか?

中央がぽっかり空いてしまっている非常に危険な場面。相手10番は、吉田選手を振り切った勢いでそのまま斜めにゴールへと突進していく。今野選手は全速力で自陣に戻ることもせず、タラタラと相手の突破を傍観しているようにみえる。

自らのミスでピンチを招いた酒井高徳選手は、抜かれた吉田選手のカバーをしながら、ぽっかり空いた中央の守備のために全速力で戻らなければいけない。それなのに、吉田選手が寄せていった場面で油断したのか、一度追うスピードを緩めてしまった。再度ダッシュしても、もはや追いつけない。

なぜ、これほどまでに守備の連係が悪かったのか?絶対的ピンチの場面にもかかわらず、大丈夫だろう、と全力対応しなかったのはなぜか?気の緩みはなかったのか?たった2人相手のカウンターに左サイドバックどころか、センターバック2人までもが振りまわされ、振り切られてしまった。

なぜ、こんないくつものお粗末な対応が、大一番の試合で露呈してしまったのか?中学生でも試合後に監督に大目玉をくらう醜態。球際への必死度が欠けた軽々しいプレーの連続。残念で仕方ない。