なぜか日本にいる。昨晩、弾丸ツアーで続々と成田に集結するサポーターのツイートを眺めながら、「ああ、本当に現地に行けないんだ」と。

残念ながら、諸々の都合で渡航を断念。せっかくのW杯決定の瞬間を現地で見たかったが、弾丸する条件が整わなかった。「2日の休暇が取得できない」という年度末の事情。「2日で10万円」とイメージしていた中東は、卒業シーズンもあり割高で予算オーバー。最低でもフライト代だけで15万は越えてくるはず。復路の同日乗り継ぎも困難。北京、上海、ソウルを経由しないと帰国できない悪条件。ヨルダンは想定外に遠かった。

何が何でも行く、のであれば強引にでも渡航していたかもしれない。ただ、メンタル的にそうはならなかった。前回のW杯決定時もウズベキスタンには行ってない。試合内容も記憶が薄い。潜在意識の中で思い入れの度合いがそこまでってこと。

これまで、タジキスタン以外にアウェーのブラジルW杯予選を現地観戦した思い出がフラッシュ・バックされてくる。

試合後、現地サポに囲まれもみくちゃにされたウズベキスタン、チケットが入手できず、金日成スタジアムの前で呆然と立ちすくんだ北朝鮮、出発当日の朝、航空券を購入したオーストラリア、松木安太郎さんに直接オリジナルマフラーを手渡すことができたオマーン・・・

ここまで、本大会を楽しみにした予選は初出場をかけた97年以来かもしれない。1950年以来64年ぶりのブラジル開催。もう生きている間には二度とお目にかかれないかもしれないサッカー王国でのW杯。その出場が今夜決定するかもしれないという高揚感は久しぶり。

劇的でドラマチックな展開もなく、ここまでスムーズに来れたのも本当に強くなったあかし。4.5枠という甘めのアジア枠の条件はあれど。物足りない、という声もあろうが、見据えている先はもはやここではない。

先日の「GET SPORTS」で中西哲生氏は「選手自身が『W杯優勝』を口にしているはじめての大会」と表現した。ザッケローニ監督就任以来、親善試合とはいえアルゼンチン、フランスを破ったことがどれだけ選手に自信を与えたことだろう。もちろん、昨今のプレミア、セリエA、ブンデスリーガでの日本人選手の活躍ぶりが下支えになっていることは言うまでもない。

FIFAランクで世界トップ5のチームと10回対戦しても2、3回は勝てるレベルには日本サッカーは到達したと個人的には思う。

史上最強の日本代表」は、目標として「W杯優勝」を掲げながら現実には「世界3位」を目指してほしい。韓国の実績を越えてほしい。それを達成してはじめて、今まで日本サッカーが味わったことのない歓喜が経験できるはず。あの「ジョホールバルの歓喜」を超越する歓喜を。

とりとめがなくなりました。さあ、切り替えて、既に大勢現地入りしているサポーターのつぶやきを楽しみにしながらキックオフを待とう!


おわり