ネットでよく見る「治験モニター」って怖くないの?

写真拡大

「治験モニター募集」というバナーをWEB上でよく見かけます。

まだ認可されていない薬を体に入れるわけですから、何だか怖そうです。

けれども、健康診断もしてもらえるみたいだし、謝礼が出ると聞いたこともあります。

そこで、治験ボランティア(治験モニター)と医療施設や製薬会社を仲介している医学ボランティア会を運営しているJCVN(ジャパン・クリニカル・ボランティア・ネットワーク)に取材をし、治験の申し込み方、治験に向いている人、よくある治験の種類などについて聞いてきました。

――治験ボランティアとは、何をするのですか?「治験とは、新薬や新しい健康食品が国の承認を前段階として、安全性や有効性を確認するために行う臨床試験のことです。

そして、その試験に自らの意思で参加してくださる方を治験ボランティア(臨床試験ボランティア)と呼びます」――正直なところ、治験はかなり怖いイメージがあります。

失敗はないのですか? 健康な人に薬を投与した場合、悪影響が出るのではないかと心配です。

「治験を実施する製薬会社は、厚生労働省から実施計画の承認を受けていますし、日本国内の治験は、ほとんど海外では既に使用されている薬が対象です。

入院・通院期間中は複数の医師・看護師がしっかり情報を共有します。

また、治験ボランティアの方には、いかなる場合、いつの時点でも参加辞退の権利があります」――最近はどんな治験が多いのですか?「COPD(タバコ病)、骨粗しょう症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群(IBS)といったものが増えています。

生活習慣病と呼ばれる高血圧、糖尿病、脂質異常(中性脂肪/コレステロール)といったものは、定期的に行われています」――誰でも治験ボランティアに応募できるのですか?「会員登録(無料)をすれば、誰でも参加条件にあった治験に応募できます。

まず、事前説明会に参加して、有害事例(いわゆる副作用)なども含めて、十分な情報提供とともに説明を受けます。

そして、事前検診を受けていただき、治験ボランティアとして適正だと判断した方にお願いすることになります」――事前検診では何を検査するのですか?「健常試験であれば、大体血液、尿、身長・体重、血圧・脈拍、体温、心電図などの検査があります。

また、事前検診の結果については、本人から医療施設に依頼することで検査結果はもらえます」――治験の合格率はどのくらいなのですか?「治験により異なりますが、健常男性を対象とした試験であれば、大体1.8〜10倍程度の合格率です。

疾患の場合は10倍以上という場合もございます」――狭き門なのですね。

どんな人が治験ボランティアに向いていますか?「もちろん、ボランティア精神のある方、国内に治療薬がなく、新薬に頼る必要がある方、市販薬で治らない方、少ない経済的負担で治療をしたい方、時間の自由が利く方などです。

女性の場合は生理や妊娠があるので、健康な人を対象とした治験は男性ボランティアにお願いするのが通例です。

女性の場合は、女性特有の病気やニキビなど、あまり体に影響がないものが中心となります」――治験ボランティアをするとお金をもらえると聞いたことがあるのですが、本当ですか? また、医療費はかかるのですか?「ボランティアの方を拘束している時間や身体的な負担を軽減する目的で、『負担軽減費』が支払われます。

2泊で4〜5万位が相場です。

また、事前検診でも3,000円前後の負担軽減費が支払われることが多いです。

医療費については、健康な方を対象とした治験ではないのですが、特定の疾患の方にお願いする治験については、原則として保険診療となるので、医療費が発生します」――治験ボランティアになるために気をつけた方がいいことはありますか?「検診直前には、激しい運動、日焼け、服薬、飲酒、喫煙などは避けてください。

また、ダイエットや献血も避けた方が無難でしょう」――なるほど。

最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

「今まで生きてきた中で、誰でも一度は薬を使用したことがあると思います。

誰かが治験ボランティアに参加してくれたおかげでその薬を使えるということですので、私たちが将来の自分の子供や孫に新薬を残していくというのは、大切な義務であることを少しでも理解していただければと思います」――どうもありがとうございました!どのタイミングでも参加を辞退できると聞いて安心しました。

また、選考にもれても、検診日の負担軽減費がもらえたり、自分の健康状態を教えてもらえたりしてうれしいですね。

取材協力:パシフィックグローブJCVN (ジャパン クリニカル ボランティア ネットワーク)(OFFICE-SANGA 臼村さおり)