胃炎や胃がんの原因となるピロリ菌。除菌成功率を約10%アップさせる方法は?

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胃炎や胃潰瘍、胃がんの最大の要因である細菌「ヘリコバクター・ピロリ」(以下、ピロリ菌)。

現在、ピロリ菌感染者は約3,500万人と推定されており、60歳以上であれば6〜8割が感染しているという。

ピロリ菌除菌時の保険適用拡大と除菌治療の対応について、マスコミセミナーが行われた。

国立国際医療研究センター国府台病院の上村直実院長よると、ピロリ菌のほとんどは5歳未満で感染し、何十年間も胃の中に棲(す)みついているという。

個人差はあるものの、胃の粘膜が老化することで、消化性潰瘍や過形成ポリープなどが発症しやすくなる。

また、ピロリ菌は抗生物質で除菌治療ができるが、現在の1次除菌治療では70〜80%程度しか除菌ができない。

また、下痢・軟便、重篤なのものでは出血性大腸炎などという副作用もありうる。

加えて、胃のむかつきを感じる人や、除菌後に体重が増加する人もいるという。

身体への負担を軽減しながら、より効果的に除菌をするにはどうしたらいいのか? 東海大学医学部内科学系総合内科の高木敦司教授は、プロバイオティクスに着目をしている。

プロバイオティクスは一般的に、善玉菌や善玉菌を含む乳製品などで知られている。

特にプロバイオティクスであるLG21乳酸菌は、胃酸耐性が強く、低pHの胃の中でも増殖する力が高い特徴がある。

また、胃の粘膜へ付着しやすく、ピロリ菌に対する増殖抑制の働きも期待できる。

東北薬科大学の藤村茂教授が行った研究では、ピロリ菌をLG21乳酸菌と共培養したところ、24時間後にはピロリ菌が休止状態となり、48時間後には減少が見られたという。

また高木教授は、抗生物質による1次除菌治療のみと、1次除菌とLG21乳酸菌入りヨーグルトの併用治療(※)を、ピロリ菌患者229人を2つのグループに分け実施したところ、抗生物質のみでは69.3%の除菌成功率だったが、併用療法では82.6%の除菌成功率になった。

海外の研究報告では、ある種のプロバイオティクスは除菌療法の副作用を軽減するというものもある。

国内ではLG21乳酸菌がヨーグルトに入っているものもあるが、胃の環境を守るひとつの対策として、毎日の食習慣に取り入れてみるのもいいかもしれない。

※LG21乳酸菌入りヨーグルト112gを、1日2個で4週間(除菌前の3週間+除菌中の1週間)摂取させた