投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、3月25日〜3月29日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、3月期末決算に向けたリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)で上値が重い展開の中、臨時日銀金融政策決定会合が開催される可能性に警戒する展開となる。円買い材料は、キプロスの金融危機やイタリアの新政権に対する懸念を受けたリスク回避の円買い、3月期末に向けたリパトリ。円売り材料は、25日の日欧首脳会談でのユーロ圏支援の継続確約、4月3〜4日の日銀金融政策決定会合での異次元の金融緩和への期待感。

【臨時日銀金融政策決定会合の可能性】(25〜28日)
 10年前の2003年3月25日、福井俊彦第29代日銀総裁は、臨時日銀金融政策決定会合を招集した。黒田東彦日銀総裁は、11日の参議院での所信聴取で「早期に金融緩和の具体的な措置を審議し決定したい」と述べ、臨時日銀金融政策決定会合の可能性を示唆したが、21日の就任会見では「臨時会合の有無、コメントすべきではない」と述べた。

 黒田日銀総裁は、26日に衆議院に呼ばれており、29日はゆうちょ銀行、かんぽ生命が新年度の投資計画を発表することで、25日、27日、28日に臨時日銀金融政策決定会合の開催を警戒する展開となる。

【欧州中央銀行(ECB)の緊急流動性支援】(25日)
 欧州中央銀行(ECB)は、キプロスに対する緊急流動性支援を25日で打ち切ると宣告している。月曜日のシドニー外国為替市場でのドル・円相場は、2月25日のイタリアショックで90円85銭、3月18日のキプロスショックで93円45銭まで急落しており、3月25日のキプロスショック第2弾に警戒する展開となる。

【3月期末に向けた円買い圧力】
 本邦機関投資家による3月期末決算に向けたリパトリやヘッジファンド勢の四半期末決算、復活祭に向けた円売り持ちポジションの手仕舞いで、ドル・円の上値は重い展開が予想される。

 3月25日〜29日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)2月耐久財受注 −− 26日(火)日本時間午後9時30分発表
・予想は、前月比+3.8%
 参考指標となる2月ISM製造業景況指数の内訳「新規受注DI」は57.8と1月53.3から拡大。2月の各地区連銀公表の製造業関連指標はニューヨークが大幅改善、ダラスはやや改善したが、フィラデルフィアは悪化している。耐久財受注の増加は確実であり、コンセンサスは妥当な水準か。

○(米)3月消費者信頼感指数 −− 26日(火)日本時間午後11時発表
・予想は、69.0
 米国株式市場はやや底堅い動きを見せている。雇用情勢は回復基調にあるが、3月のミシガン大消費者信頼感指数が予想外に低下していることから、信頼感指数の上昇は期待できない可能性がある。

○(米)2月新築住宅販売件数 −− 26日(火)日本時間午後11時発表
・予想は、42.5万戸
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は2月46←1月47とやや低下し、マイナス要因。住宅ローン金利はやや下げ渋っていることから、マイナス要因。住宅ローン申請指数で新規購入向けローンの申請指数は、やや伸び悩んでおり、マイナス要因か。1月実績の43.7万戸を下回る可能性がある。

○(日)2月全国消費者物価指数 −− 29日(金)午前8時30分発表
・予想は、全体の数字が前年比-0.7%、コア指数は、同比-0.3%
 先行指標となる2月の東京コアCPIは、前年比-0.6%と1月-0.5%を下回っている。ガソリンや電気料金などエネルギー価格の上昇はやや抑制されており、物価上昇率は前年比マイナス圏でしばらく推移する見込み。

 主な予定は、25日(月):(米)シカゴ連銀全米活動指数、26日(火):(米)S&P/ケース・シラー住宅価格指数、27日(水):(米)2月中古住宅販売仮契約、29日(金):(日)2月完全失業率

【予想レンジ】
・ドル・円91円00銭〜96円00銭