節電意識の高まりの背景にはエネルギー問題があり、例えば石油など「あと40年で枯渇する」などといわれることも多い。ところが、中部大学教授の武田邦彦氏(工学博士)によると、「石油をいまのまま使い続けてもあと8000年は大丈夫」だという。新刊『武田教授の眠れない講義 「正しい」とは何か?』(小学館)を上梓したばかりの武田氏が解説する。

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 学者として「8000年」という根拠を説明しましょう。そもそも石油は、さまざまな生物の死骸が長い年月をかけて変化したものです。このおおもとは、炭素(C)です。46億年前に誕生した地球は、ほとんどが二酸化炭素(CO2)でした。

 その後、ラン藻類のような、二酸化炭素を体内に取り込み、炭素だけ残したまま、酸素(O2)を放出するという生物が登場しました。そのおかげで、われわれ人間のような、酸素を取り込んで呼吸する生物が誕生したというわけです。

 炭素を体内に取り込んだ生物は、通常、死ぬと体外に炭素(C)を放出するのですが、中には炭素を抱え込んだまま、死骸となって海底に埋まってしまうものがいました。これが、長い年月をかけて石油となったわけです。

 地球が誕生したときには空気の95%がCO2だったのに、二酸化炭素が減って、酸素の割合が増えたということは、それだけ炭素を抱え込んで死骸となった生物がいるということです。つまり、炭素の量を計算すれば、どれだけ石油があるか、大まかな総量がわかってしまうというわけです。

 私の計算からすると、いまのペースで消費しても、あと8000年は大丈夫なのです。

 ではなぜ「あと8000年」が「あと40年」になってしまうのでしょうか。実はカラクリがあって、「あと○年」という数字は、「いま採掘している、あるいは石油メジャーがある作戦のもとに採掘可能な石油を公表している数字、それをもとに計算すると……」ということなのです。

 故意に隠していたり(これがもっとも大きい)、新たに採掘可能な油田が見つかったり、それまで採掘が難しかったものが技術力で採掘可能になったりすると、一挙に「あと○年」が増えるのです。つまり、「あと○年」というフレーズは、石油で商売をしている石油産出国と石油メジャーにとって、都合がいいから使っているというだけなのです。

※武田邦彦/著『武田教授の眠れない講義 「正しい」とは何か?』より