最近のミニ四駆ってどうなっているの?



皆さんは子供のころミニ四駆で遊んだことはありますか? 筆者は小学生のころ、「エンペラー」というミニ四駆を買ってもらって壊れるまで走らせていました。このミニ四駆ですがここ数年新たなブームが来ているそうです。公式の大会には1,500人以上が出場し、大人も多数参加しているとか。



では、現在のミニ四駆は私たちが知っているミニ四駆と比べてどんな進化を遂げているのでしょうか? 株式会社タミヤのミニ四駆広報担当・上田さんにお話を伺いました。



■大きく変わったシャーシ性能



――現在のミニ四駆は、昔と比べてどんな点が進化していますか?

上田さん 現在30代以上の人が、ミニ四駆の第1次ブーム世代なのですが、その時代のミニ四駆と比べるとシャーシやボディ、さまざまな部分が進化しています。特に一番大きく進化したのがシャーシですね。



――現在のミニ四駆のシャーシは、どのようになっているのですか?



上田さん 2005年に発売開始された、『ミニ四駆PRO(プロ)』というシリーズで採用されている『MSシャーシ』は、昔と比べて大きく変わっているといえます。まず、モーターの搭載位置。これまでのシャーシではマシンの後方に搭載していることが多かったモーターを、MSシャーシではマシンの真ん中に電池と共に搭載するようになっています。これによりマシンの前後の重量バランスが取れるので、安定した走りを生み出すことができます。



――実際の車にも、重量バランスを考えてエンジンを真ん中に置くミッドシップマシンがありますよね。



上田さん それと同じです。また、これまでは前輪に駆動を伝えるための「プロペラシャフト」という細長いパーツを使っていましたが、このMSシャーシではそれを使わずに、モーターのシャフトを前後に伸ばし、前後のタイヤをギヤで直接動かす形になっています。これでモーターのパワーを余すことなく伝えることができます。



――知らない間にものすごく進化していますね……すごい。



上田さん もう一つ、MSシャーシの大きな特徴として、シャーシを前輪部分、モーター部分、後輪部分の3つに分けられることがあります。これにより、モーター部分はそのままにしてタイヤ部分のセッティングを変えたり、逆にモーター部分だけを差し替えるだけで交換することが可能です。



――あらかじめセッティングを決めておいた前輪部のパーツなどを用意しておけば、多くの部品を分解せずに変更できるわけですか。便利になりましたね。



上田さん 昔より確実に遊びやすくなっています。バンパー部分など、シャーシの剛性も非常に高くなっていますし、同じ条件だと確実に今のミニ四駆の方が速くなっていますね。



■ボディもシャーシも実車並みに空力を考えたものに!



――2005年に登場したMSシャーシ以外では、現在どんなシャーシがありますか?



上田さん ミニ四駆30周年を迎えた2012年に発売された『ミニ四駆REVシリーズ』に採用されている『ARシャーシ』があります。このシャーシでは、モーターの搭載位置は後部になり、ボディを外さずにシャーシの底面から電池やモーターを入れるようになっています。



――これまではボディを外して交換していましたよね?



上田さん はい、ARシャーシはより整備性が高まっています。また、シャーシの底面も鏡面仕上げといって、ツルツルに仕上げられています。最近のタミヤの公式コースには「芝生のコース」が設けてあるので、車高が低いマシンだと芝が引っ掛かり、スピードダウンする場合があるんです。でも鏡面仕上げだと芝をうまくそらしてスムーズにクリアすることができます。



――そんな工夫がされているなんて思いませんでした。



上田さん そうなんです。さらに、このREVシリーズは空力性能をよく考えたものになっています。



――確かに流線形のボディになっていますね。



上田さん ボディの形状はもちろん、エアインテークという空気の取り入れ口にもこだわっています。ボディから取り入れられた空気が電池やモーターの部分を通り抜け冷却できる構造になっているんですよ。



――本物のレースカー並みですね……。



■お客さんと共に歩んできたミニ四駆



――ほかに、今までのミニ四駆になかった機能はありますか?



上田さん ARシャーシには後方下部にブレーキが取り付けられています。



――減速させる理由はあるのですか?



上田さん コースにはいくつかの高低差のあるセクションがあります。ここはスピードが速いまま突入すると跳ね上がったりコースアウトしてしまうんです。上り坂でマシンが上向きになった際、シャーシ後方下部のブレーキがコースに接地するので、コースアウトしないよう減速することが可能です。ブレーキの接地は調整することができるので、速さを優先するか安定性を優先するかの調整ができるんです。



――う〜ん、奥深い。



上田さん また、車が跳ね上がった後、着地で安定しないと大きく減速してしまいタイムロスしたりコースアウトしてしまうんですね。そこで着地を安定させるマスダンパーなどの衝撃吸収のパーツが必要になります。最近は高低差のあるセクションが多いので、こうした安定性向上のパーツがあるとより勝利が近づきます。



――マスダンパーは昔はなかったですよね?



上田さん そうですね。マスダンパーはもともとはお客さまの中で改造している方がいて、そのアイデアが基になって商品化されたものだったりします。



――お客さんのアイデアがきっかけだったんですね。



上田さん ほかにも、コーナーを上手に抜けるためのガイドローラーや、姿勢を制御するためのスタビポールなどもお客さまが最初にオリジナルでやっていたことなんです。ミニ四駆発売当初は洋服のボタンを使ったり、まち針を使ったり、子供たちが独自に工夫していたんです。



――そういったお客さんのアイデアがフィードバックされて、現在のようなミニ四駆のカスタムパーツになっていったのですね。こうしたパーツを見ているとウズウズしますね。



上田さん 昔ミニ四駆で遊んでいた人があらためて夢中になることも多いようで、大会でも参加者の大半が大人の方だったりしますよ。ジュニアレーサーはもちろん、女性も増えていますから、老若男女問わず、幅広い方にミニ四駆を楽しんでいただきたいですね。



東京・新橋にある、タミヤのオフィシャルショップ「タミヤプラモデルファクトリー新橋店」では、会社帰りのサラリーマンが自慢のマシンを走らせているそうです。また、大会にはおじいちゃん、お父さん、お孫さんの三世代で参加する家族もいるのだとか。大人も子供も楽しめるミニ四駆。昔遊んでいた人もそうでない人も、遊んでみてはいかがですか?



2013年3月24日(日)に東京・品川で『ミニ四駆グランプリ2013 東京大会3』が開催されます。ミニ四駆の熱気を味わってみたい人はぜひ足を運んでみてください。

(貫井康徳@dcp)





【タミヤミニ四駆HP】

http://www.tamiya.com/japan/mini4wd/index.htm



【ミニ四駆グランプリ2013 東京大会3】

http://www.tamiya.com/japan/cms/mini4wdevents/2085-m4gp2013tokyo3.html