「いま世界の市場で最も魅力的なのが日本株」と語るのは、海外投資のカリスマとして知られるグローバルリンクアドバイザーズ代表取締役・戸松信博氏だ。世界の株式市場を分析し続けてきた戸松氏が、その独自の視点で日本市場の行く末を読み解く。

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 米国のQE 3(量的金融緩和第3弾)実施に伴い、昨年9月から始まった世界的な株高。その中でも出遅れていた日本株は、昨年11月の衆院解散宣言以降、その遅れを一気に取り戻し、騰勢を増している。とりわけ昨年末からは安倍政権が掲げる経済政策「アベノミクス」への期待感から、いまや日本株は世界の中でも突出するパフォーマンスを見せている。

 実際、世界各国の主な株価指数を昨年末からの1か月間で比べると、TOPIX(東証株価指数)の上昇幅が群を抜いている。いま日本株は世界一上がる、“暴騰相場”と化しているのだ。

 その背景にあるのが、急激な円安の進行である。円高に苦しめられてきた輸出関連の大型株が、円安への反転で巨額の為替差益を計上することが見込まれ、株価が急騰。それらの株式を保有する銀行の含み益も増大するため、銀行株も上昇し、TOPIXが押し上げられている。

 そして、日本株が上昇すれば投資家のリスク志向が高まり、為替市場でも円安が後押しされるため、株高が円安を再生産し、それがまた株価にも跳ね返ってくるような好循環となっている。

 問題は、この先だろう。昨年の株式市場を振り返ると、1月にロケットスタートを切り、2〜3月もその勢いを持続したが、4月後半から欧州危機の高まりで失速してしまった。

 今年はどうかというと、現在の日本株の流れは明らかに「政策相場」といえる。これだけ円安に振れても米国から非難の声が聞こえてこないということは、少なくとも安倍政権が確固たる基盤を築く参院選までは米国が円安を容認したということだろう。7月までは株高・円安基調には変わりがないと見ている。

 その先を見通すと、カギを握るのは、やはり参院選であり、アベノミクスが実体経済にどこまで効いてくるか、である。

 仮に自民党が参院選に圧勝して、投資家のリスク志向が高まり、アベノミクスが実体経済に好影響を及ぼすようになってくれば、さらなるハイパー上昇の年となる可能性が高まるに違いない。そうなると、日経平均株価も1万5000〜1万6000円を目指す展開も予想される。

※マネーポスト2013年春号