前回は、株式の「積立て投資」について解説した(http://dime.jp/genre/72234/)。株式を複数回に分けて購入する積立て投資は、株式を一度に購入することに比べて、投資リスクを軽減できるので、いままで株を買ったことがないという投資ビギナーにおすすめできるものだ。今回は、具体的な商品を紹介しようと思う。

  積立て投資には、毎月決まった金額で購入する「定額型」と、単位株数未満の株数で購入する「定量型」の2種類があることは前回述べた。まずは、定額型から説明していこう。定額型は、『株式累積投資』と呼ばれ、毎月1回、1万円以上1000円単位で購入していく。野村證券の場合は、「16日コース」「月末コース」など、購入日が定められている。例えば、「16日コース」だと、毎月16日の翌々営業日に買付けることになる。売買手数料は、購入金額の1.1550%(税込。以下同)。1万円の購入ならば115円程度だ。野村證券の株式累積投資のメリットは、売買単位(=単元株数)未満でも、保有株数に応じて、株式の配当金や株主優待がもらえること。実際には、配当金や株主優待でもらえる優待物を換金した分が、保有株数に応じて分配され、全額が積立て資金として再投資される。

  株式累積投資では、保有株数に応じて配当金がもらえる証券会社は多いが、株主優待分までもらえるところは珍しい。おそらく、野村證券だけではないか。しかも、口座管理料も無料となっている。株式累積投資は、リアルの店舗がある証券会社が取り扱っているケースがほとんどで、手数料や口座管理料、そして、前述したような株主優待までもらえることを考慮すると、野村證券がおすすめだろう。

 ■1株から購入できる定量型

  次は定量型。ここでは1株から購入できるタイプを紹介しよう。株式市場がオープンしていれば、いつでも買うことが可能で、購入日の制限はない。注文を出す時間帯によって、注文を出した当日、または、翌日に購入することになる。売却も1株単位で行なえる。

ただし、売買単位である単元株数が1株の銘柄は購入できない。単元株数が1株の銘柄というのは結構あって、馴染みがあるところでは、NTTドコモ株、ヤフー株、スカパー株などがある。定量型は、店舗のある証券会社はもとより、ネット証券でも取り扱っているところが多い。

  野村證券の定量型は「まめ株」。保有株数に応じて配当金はもらえるが、株主優待は事実上もらえない(単元株未満の株主に株主優待を実施している企業が例外となるが、存在するかどうかは不明)。売買手数料は、購入代金の0.84%。ただし、最低手数料は105円。購入代金が1万円なら0.84%は84円だが、105円未満のため105円になる、という具合だ。口座管理料は無料となっている。

 マネックス証券の定量型は「ワン株」と呼ばれている。取引内容は「まめ株」とほぼ同じだが、配当金に加えて、株主優待も保有株数に応じて分配されるようになっている。また、手数料はネット注文の場合、購入代金の0.525%。最低手数料は50円と格安だ。

SBI証券の「S株」も手数料は安い。購入代金の0.525%で、最低手数料は52円となっている。株主優待は事実上なし。カブドットコム証券の「プチ株」は、手数料体系がちょっと変わっていて、購入代金2万円までは一律105円、2万円以降、1万円増加するごとに70円ずつ加算されていく。株主優待はない。上記のネット証券は、いずれも口座管理料は無料だ。

 定量型には、上記以外の証券会社が扱っている、いわゆる「ミニ株」があるが、こちらは、単元株数の10分の1が売買単位となっている。単元株が100株の銘柄なら、売買は10株単位になる。これまで紹介してきた1株で売買できる方式と比べて、使い勝手が悪く、手数料もやや割高な傾向があるため、「ミニ株」は個人的にはおすすめできない。

  積立て投資は、ビギナー向けであることを強調してきたが、購入代金が大きい銘柄への投資にも利用することができる。現在、爆騰中のファーストリテイリングの株価は、3万400円(3月15日終値)。単元株数は100株なので、普通に買おうと思ったら、300万円以上の資金が必要になる。株式投資の経験がある人でも、おいそれと手が出せる金額ではない。そこで、これまで紹介したような「ワン株」や「S株」を使って、10株だけ購入する、といったやり方が使えるのである。

  現在、国内の株式市場は絶好調で、ほぼ一本調子の上昇を演じている最中だ。株を買うタイミングは、どんな状況でも難しいものだが、とりあえず少額から投資をスタートするのが賢明だろう。

 「株をいつ買うか? 今でしょ!」

(文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。