韓国のコミュニティーサイト「ガセンイドットコム」の掲示板に「日本のメディア、WBC決勝進出挫折! メジャーリーガー不参加が原因?」とのスレッドが立てられたところ、韓国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

 スレ主は、WBCで日本が敗退したが、その理由について分析した日本のメディアのニュース記事とともに、日本人ネットユーザーのコメントを紹介した。

 さらに、日本のメディアでは「代表の主将だった阿部選手がプエルトリコ戦で敗れた直後、『結局、最高の人材をそろえられなかったことが最後まで響いた』とのコメントが取り上げられていた」と紹介。

 阿部選手の実際の発言は、「(プエルトリコは)メジャーの一線でやっている選手ばかり」で、プエルトリコ戦を「いい経験になった」として、今後の自分に役立てようとの前向きのものだったが、韓国では取材した記者の感想部分も含めて阿部選手の発言と誤解して広まったようだ。

 これに対する日本のネットユーザーの反応としては、「格好悪い言い訳の記事だね。敗北を認めよう」、「今回の代表チームのメンバーは、完全に国内向け!」、「監督の力量差だ」、「やはり日本のプロ野球のレベルは大リーグ2軍レベルだね」などと、日本代表の力不足や監督を批判する声が上がった。

 一方、これらの反応を見た韓国のネットユーザーのコメントの傾向は、「言い訳が多い」、「韓国は言い訳ばかりというが、日本の方が」などと、日本は言い訳が多いと指摘するコメントが並んだ。

 また「米国も日本も脱落、今後はWBCを止めようという声も上がるのでは」との見方も寄せられた。主要国が早々に脱落したことから、次回以降のWBCの存続が危ぶまれるとのコメントだ。

 さらに「日本も台湾も井の中の蛙だった」、「日本と台湾は、ひたすら野球だけに命をかけている」、「韓国はフィギュア、サッカー、バスケットボール、バレーボール、囲碁、多岐に渡って安定して良い成績を出すが、日本と台湾は1、2種目のみに偏っている」と、日本と台湾における野球人気を揶揄(やゆ)するコメントも見られた。

 また「日本はベースボールではなく、野球をしていた」と、世界レベルに至っていなかったとするコメントなど、日本に対する厳しい意見が多く見られた。(編集担当:李信恵・山口幸治)

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◆解説◆ 期待されていた国際大会などで敗北すれば、監督や選手などの関係者はメディアに「敗因」を尋ねられるものだ。たしかに、「言い訳」と指摘されればそれまでだが、批判も覚悟して「思い当たる」ことを表明するのは、応援してくれた人に対する責任の取り方のひとつではなかろうか。

 スポーツに関係する意見表明を見ても、韓国ではやはり、日本に対して批判的、あるいは対抗意識を表面に出す論調が多い。同じように反日感情が強い中国(大陸)では、スポーツについては「是々非々」の論調が比較的強く、日本人選手やチームがすばらしい戦いぶりを見せた場合には、称賛を惜しまない人が珍しくない。

 台湾の場合には、親日的感情が背景にあると思われる論調が多く、一方的な批判は少ない。日本がプエルトリコに敗れた8日の準決勝を伝える報道でも、日本チームを「打てない」と批評したが、先発の前田選手については「悪くはなかった。5回で失点はわずか1」などと伝えるなど、評価すべき点はきちんと評価した。(編集担当:如月隼人)