小野寺五典防衛相は16日、「東アジアの過去の歴史を振り返ると、中国国内が混乱するたびに、中国の国境に近い地域で紛争が起きている」と述べたことについて、復旦大学歴史学部教授で海外網特約評論員の馮〓(〓は王へんに「韋」)は「この歴史を顧みない、中国の顔に泥を塗る発言が中国人の怒りを招いた」と述べた。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

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 小野寺五典防衛相の発言は、中国の顔に泥を塗り、平和憲法改正への世論づくりが狙いだ。

 安倍首相は国内外で「日本は戻ってきた」と宣言している。それには、民主党政権時代に緩んだ「日米同盟」を改めて強化し、軍備再編、自衛隊を国防軍に昇格するという二面性がある。平和憲法の制約を取り外せば、こうした目的が果たせる。

 日米同盟強化の狙いは何か? 日本側の説明によると「改めて整備される日米同盟はアジア地域の大国の台頭を抑え、地域内を好き勝手に走り回るのを防ぐ有力な綱になる」という。日米同盟強化は日本国民からも支持されており、日本経済新聞社が行った世論調査によると、75.9%の回答者が「日米同盟を強化し、中国を牽制(けんせい)すべき」との見方を示した。

 自民党は17日、政権復帰後初となる党大会を開き、憲法改正を加速する2013年運動方針を採択、第2章第9条を改正し、自衛隊を「国防軍」に昇格すべきと主張した。それも中国脅威論を「根拠」としている。

 自民党のこうした動きも国民の支持を得ている。産経新聞の調査によると、94%の回答者がこれに賛成し、そのうち92%は軍国主義と無関係との考えを示した。

 しかし、本当に無関係だろうか? 日本は真剣に「東アジアの過去の歴史を振り返る」べきではなかろうか? 70年前、日本の右翼勢力がアジアを大きな災難に巻き込み、当時の中国では3000万人以上が旧日本軍の銃砲によって死傷した。(原文ママ)

 いまだに日本はあの侵略戦争に対する罪悪感から逃げ隠れしている。歴史を正視し、侵略を認めた「村山談話」に代わる「安倍談話」を発表する方針を安倍首相が打ち出し、今度は小野寺防衛相が「内部混乱で周辺国を巻き添えにする」と中国を非難したが、中国政府と国民はこれに対してどういう感情を抱くだろうか?

 注目すべきは、小野寺防衛相が15日、「中国の新リーダー体制発足後、中国と対話する機会を持ちたい」と述べたことだ。日中関係は「対話」だけで改善できるものではない。日本側は国連憲章と国連政治文書を遵守し、日中の4つの政治文書の原則を遵守し、「歴史を鑑(かがみ)とし、未来に向かう」べきだ。中国に泥を塗り、日本の防衛力を「虫の脱皮」のごとく次第に自由に飛び、攻撃性を持たせようとしても将来性はない。(編集担当:米原裕子)