《家屋は被害を受けましたが、両親ともに避難しており、命に別状はございません》と自身のホームページでコメントを発表した、ミュージシャンの氷室京介(52)。

3月11日朝5時50分ごろ、群馬県高崎市にある氷室の実家が放火されて半焼、隣接する木造平屋は全焼するなど、火事は3棟におよんだ。氷室の母親(79)は自宅から逃げる際に転倒し、右腕を骨折する重傷を負った。

発火からわずか10分後に37歳の無職女性が自ら軽自動車を運転して高崎署に出頭。その車内は氷室のグッズであふれ返っていた。容疑者が氷室の実家付近で凶行におよんだのは、これが初めてではないという。

「彼女は今まで何度も警察のお世話になっていたんです。大音量で音楽を流しながら車で氷室さんの実家の前に乗り付けてくるんですよ。大きな声をだしたり、(氷室の実家の)窓ガラスを割って台所に入って料理をしていたり……。車で運んできた家財道具を玄関に並べたこともあって。いわゆるストーカーだっていわれていました」(近所の住民)

鎮火の翌日、本誌記者が火災現場に行ってみると、氷室の親戚や近所の人たちが協力して、焼け跡から無事だった品を運び出していたが、焼け跡には氷室の母親が作ったちぎり絵や、家族の写真などが残されていた。

「お母さんは絵が好きで、東京まで習いに行っていたほど。火事場にはタンス預金がたくさんあったらしいんだけど、束になっていると意外と燃えないもんだね。消火作業で濡れた札束を、新聞紙の上に並べて干してたみたい。焦げちゃった札もあったみたいだけどね」(別の住民)

’94年ごろから活動の拠点をアメリカに移しはじめた氷室は、その後家族とロサンゼルスへ移住。現在はビバリーヒルズに居を構えている。実家近所の理髪店店主はこう話す。

「中学生くらいまではよく散髪に来てたよ。生意気だったけど、いい子でね。今年のお正月は、家族で実家に帰省してたみたい。実家にはファンの人もよく訪ねて来るようだけど、ご両親は丁寧に対応していたね。それがまさかこんなことが起こるとは……」

活躍を続けるロックアーティストとその家族を襲った悲劇。彼らが負った心の傷は計り知れない——。