鮒ずしを食べてみませんか?




「鮒ずし」を知っていますか? 日本のなれずしの代表格で、根強いファンのいる発酵食品です。発酵学者、小泉武夫先生も「臭いものはおいしい」と勧めておられます。鮒ずしをご紹介します!





■「臭いものはおいしい!」といいますが……



鮒ずしは、琵琶湖のある滋賀県の郷土料理です。発酵食品で、なれずしの一種です。独特の「臭さ」があって苦手な人は多いですが、一度その味が気に入ると病みつきになる不思議な料理です。



食べ方は、まずたるから漬けられた鮒を取り出し、よく周りのご飯を落とします。次に3mm厚にスライスして、そのまま食べます。日本酒によく合う、実に滋味あふれる味です。においはしますけどね(笑)。



「通はお茶漬けでいく」なんていわれます。スライスした数切れをご飯に載せ、上からお茶を注ぎます。酸味が和らぐので、この方が初心者に向いているとも。冷茶を注ぐ人もいるそうです。



「臭いものはおいしい」といいます。まだ食べたことのない人はぜひ挑戦してみてください。



■「鮒ずし」の作り方



琵琶湖で捕れる「ニゴロブナ」を用います。



まず、ニゴロブナのウロコを取って、内臓を抜いて腹に塩を詰めて塩漬けにします。3カ月ほど塩蔵した後に取り出し、水洗いして塩出しを行い、1日ほど干します。



次に干した鮒の腹とえらぶたにご飯を詰めて、たるにぎっしりと並べ、ご飯と交互に漬け込みます。たるに落としぶたをして重石を載せて発酵させます。このときに、たるに水を張って空気に触れないように注意しなければなりません。



乳酸菌は嫌気性の菌なので、空気を入れると発酵がうまく進まなくなるのです。こうして、数カ月、時には2年も発酵させて鮒ずしは作られます。



■「鮒ずし」はなんと奈良時代から!



鮒ずしはとても昔から食されてきました。その歴史は奈良時代まではさかのぼれます。出土した奈良時代の文書にすでに「鮒鮨」(鮨鮒)の記録が見られるそうです。当時から朝廷に献上されていた名物だったのでしょう。



■「鮒ずし」はそんなに臭いでしょうか?



「鮒ずしは臭いから嫌だ」なんて言う人がいますが、その臭さはどれくらいなのでしょうか。



Auという臭さを測るための単位があります。「アラバスター」という器械で計測するのですが、焼きたてのくさやが1,267Au、納豆は452Auです。鮒ずしは486Auなので、納豆よりは臭いですが、焼きたてのくさやほどは臭くないということですね。



ちなみに世界最高に臭い食べ物は、すっかり有名になったスウェーデンのニシンの缶詰『シュール・ストレミング』で、8,070Auだそうです。



■「鮒ずし」は、今や高級品です!



琵琶湖の水質汚染や、ブラックバス、ブルーギルなどの外来種の琵琶湖への侵入など、さまざまな要因によって、鮒ずしの材料になるニゴロブナが捕れなくなっています。漁獲量が減少を続けているため、鮒ずしも高価になっています。



「鮒ずし1本」が3,000円、5,000円など珍しくありません。近い将来、本当に食べられなくなるかもしれませんから、今のうちにいかがですか?







(高橋モータース@dcp)