やりたいことをやるのは“自由”じゃない? 家入一真×猪子寿之対談

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 今、急速に多様化している「働き方」。では、その中でどうすれば私たちはもっと自由に働くことができるのでしょうか。
 『もっと自由に働きたい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)の著者である実業家の家入一真さんが、同書のオーディオブック化を記念し、「もっと自由に働くこと」をテーマに様々な刺客(ゲスト)と対談を繰り広げる連載企画を展開。オーディオブック配信サービス「FeBe」で配信されています。

 第2回はウルトラテクノロジスト集団・チームラボ代表猪子寿之さんです。その対談の中から、一部テキスト化しました。猪子さんは自分を「家入さんほど自由には働いていない」と言います。その真意とは?

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猪子「家入さんは自由に働いていると思うんですけど(笑)、俺は家入さんほどたぶん自由には働いてなくて」

家入「そうなの?」

猪子「例えば、自分がしたいことをするためには、面倒くさいこともやろうみたいな感じだし、自分の好きな人と一緒にいるためにはお金も必要だし、みたいな考え方だから、興味ないこともするし」

家入「例えば?」

猪子「それは言えないですよ(笑)。話を戻すと、自分のしたいことをすることとか、自分の好きな人と一緒にいることのほうが、世の中の見られ方やお金よりも大事だったから、そっちを選んだんです。でも、それをするために、結局お金も大事だし、世の中からの見られ方も大事だったりするし、ぐちゃぐちゃになっているんですよね。まあ、そういう道を選んだから、それで自分は幸せなんですけどね」

家入「なるほど」

猪子「だから、家入さんの方が自由かもしれない」

家入「僕はすぐに逃げちゃうからね(笑)。でも、最近は、最初に逃げますってことを宣言することにしているんですよ。それが僕なりの誠意というか。事前に言っておくことで、許してもらうんです」

猪子「うん。でも、俺は別に許されたいとかそういうのはなくて、不自由になってでも、もっとやりたいことをやりたい。だから、一緒に仕事している人とは少しギスギスしてでも一緒にいたい(笑)。少しお互いに厳しくなることもあるけれど、ギスギスしてでも、もっと前に行きたいし、好きな人と一緒にいるためにお金を稼ぎたいです」

家入「僕が思う自由というのは、依存しない関係性なんですよね。例えば会社に勤めると、その給料に生活を依存してしまうわけでしょ? そうなると、会社から理不尽なことを言われても、結局辞められずにノイローゼとか、うつ病になってしまう。それって、不自由だなと思うんです」


 やりたいことをすることが自由ではなく、やりたいことをするために不自由なことも受け入れていると語る猪子さん。「やりたいことをやっている=自由」と考えてしまいがちですが、果たしてそうなんでしょうか。働き方について今一度、考えさせられる対談となっています。
(新刊JP編集部)

■『もっと自由に働きたい』 オーディオブック配信記念!
FeBe特別対談企画ページ(対談全編の音声も配信しております)
http://www.febe.jp/documents/special/ieiri/index.html