隕石(いんせき)はまだまだ地球に落ちてくる?






先日、ロシアのウラル地方で隕石(いんせき)落下事故が起こったのは、まだ記憶に新しいところですが、この予期せぬ隕石(いんせき)の落下は、大きな衝撃波によって1,000人以上の重軽傷者を出すという、過去に例のない被害をもたらしました。



これまで、大きな隕石(いんせき)の地球への落下は映画の世界の出来事だと思っていた人も多いでしょうが、今後も同じようなことが現実に起こる可能性はどれほどあるのでしょうか。





■隕石(いんせき)落下の威力とは…



NASAの発表によると、今回ロシアに落下した隕石(いんせき)は直径が17mで重さが1万トン程度だそうです。



これが時速65,000km(秒速18km)ほどのスピードで地球の大気圏に突入し、上空20km〜25kmあたりで爆発したと見られますが、このときの爆発の威力は、なんと広島型原爆のおよそ30倍にもなります。



それほどのエネルギーを持っていたため、遠く離れた場所であっても、衝撃波によりガラスが割れてケガをするという二次災害にもつながりました。

特に、今回の隕石(いんせき)は、地球の大気圏に突入したときの角度が浅く、地表近くを長い距離移動したことで、広い範囲に被害が及んだと考えられています。



■隕石(いんせき)はまだまだ落ちてくるの?



今回の隕石(いんせき)は、もともと火星と木星の間にある小惑星帯を回っていたものが、木星の強い重力の影響か小惑星同士の衝突などによって、これまでの軌道から変化し、地球に飛来してきたと考えられます。



このように、はるか遠くからやってくる隕石(いんせき)ですが、日ごろいったいどれぐらい地球に落下しているのでしょうか。



実は、大気圏を突破して地表に落下するものだけに限って見たとしても、年間で数個はあると推定されています。

そのうち、今回ロシアに落下した10数mクラスの隕石(いんせき)落下となると、数10年〜100年に1回程度となります。



また、直径50mほどの規模のもので1,000年に1回、地球の気候にも影響が出る可能性があるとされる直径1kmクラスのものでも100万年に数回程度は地球に衝突する可能性があると考えられています。



ただし、今回のロシアに落下した隕石(いんせき)のように、人が住んでいる場所に落ちるのは極めて珍しく、多くの場合は海や砂漠などの誰もいないところに落ちているため、小さいものであれば直接的な被害を受けるケースはめったにありません。



■地球に落下した過去最大の隕石(いんせき)



これまでに発見されている中で地球に落下した最大規模の隕石(いんせき)衝突跡(クレーター)は、南アフリカにある「フレデフォート・ドーム」と呼ばれるもので、こちらは世界自然遺産としても登録されています。



衝突跡の直径はおよそ190kmもあり、これは今から20億年ほど前に直径10km強の小惑星が、秒速20kmで地球に衝突したときに作られたものだとされています。



このときの衝突エネルギーを計算すると、広島型原爆に換算して58億個分にもなると言われますので、衝突時に地球に与えたインパクトは相当なものだったでしょう。



■恐竜を絶滅に導いた隕石(いんせき)



太古の昔、地球上に栄えていた恐竜たちが隕石(いんせき)の衝突によって絶滅した…という話を聞いたことがある人も多いでしょう。



その隕石(いんせき)の衝突跡だと推定されているのが、メキシコのユカタン半島にある「チクシュルーブ・クレーター」です。

現在までに知られているクレーターのうち、世界3番目の大きさで、その直径はおよそ160kmになります。



衝突時のエネルギーは広島型原爆10億個分に相当し、マグニチュード11クラスの大地震と300mもの高さの津波を引き起こしました。



さらに、衝突時に舞い上がった塵(ちり)が大気中を漂い、それらが何年間も太陽光線を遮断したことが、当時の生態系を破壊し、恐竜をはじめとする生物の大量絶滅につながってしまったと考えられています。



■まとめ



隕石(いんせき)が地球に落下して、負傷者が出るというのは衝撃的なニュースでしたね。



今回は直径17メートルと比較的小さかったため死者は出さずに済みましたが、将来的に、恐竜を絶滅に追いやったような巨大な隕石(いんせき)が地球に衝突する可能性もゼロではありませんので、その回避方法の確立が待たれます。



(文/TERA)



●著者プロフィール

小さいころから自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。