日本に留学中の米国人女性は、留学に関する情報を発信するブログ「templejapan.wordpress」で、食品サンプル作りに挑戦した体験談についてつづっている。

 海外では、メニューは文字と写真で構成されているのが普通で、食品サンプルは一般的ではない。日本を訪れた外国人観光客は、食品サンプルを初めてみて驚くようで、店頭の食品サンプルの撮影をしている旅行者を見かけることもある。

 日本に滞在する筆者も、食品サンプルに興味を持った人の1人だ。友人らと食品サンプル作りのワークショップに参加するほどの熱の入れよう。ワークショップの会場にもさまざまな凝った食品サンプルが展示されていたという。「どれも精巧に作られたものばかり。なかには珍しいテーマのものもあり、芸術的とさえ思った」と印象を伝えた。

 マスコットや、食べかけのロールケーキなど、かわいらしいテーマのもの、焼き魚のキーホルダーや野菜のペンホルダーなど不思議なアイテムもあったようだ。チョコレートやドーナツで作られた兜(かぶと)など奇想天外ともいえる食品サンプルもあったと、写真とともに紹介した。

 ワークショップでは、「レタスと天ぷらのサンプルの作り方」を教わったという。「天ぷららしく見えるようにする技術はまるで魔法のようだった」と感激したようだ。「多様なワックスを食品別に使うところがコツで、天ぷらが最後には本物に見えたからすごい」と感想を語った。できた天ぷらを友人たちに自慢したいと誇らしげな様子で語った。

 レタスの作り方は、材料の合成樹脂をレタスのように成形し、水に浸すことでよりレタスのように見えるという。「食品サンプル作りは本当に面白く、創造的な作業だった」と語った。

 日本では大正時代に考案された食品サンプル。レストランの店頭に飾られた食品サンプルは日本人にとって当たり前の光景だが、外国人には珍しいようで、お土産に買って帰る旅行客も多いという。そんな興味から実際に作ってみた筆者は、想像以上に面白く創造的だったと満足した様子が伝わってきた。(編集担当:田島波留・山口幸治)