東レ経営研究所 特別顧問 佐々木常夫氏

写真拡大

勉強会に参加したことがない人も、行ってはみたが続かなかったという人も必読! 年間300回以上勉強会に参加したことがある達人や、多くのデキる経営人材と接しているヘッドハンターが、スキル磨きから人脈づくりまで徹底指南。

ここまで勉強会の意義を取り上げてきた。しかし、その意義を認める会社や上司は少ないことに留意しておきたい。ベストセラー『働く君に贈る25の言葉』の著者であり、東レ経営研究所特別顧問の佐々木常夫さんは、「勉強会に熱心すぎる人は仕事ができないケースが多い。暇だから遊びに来ている」と喝破する。

「将来が不安だから勉強会に参加する? ひどい話ですね。そんなことをする前に、目の前にある仕事をちゃんとやらなくちゃダメですよ。社外での活動は、同僚から信頼される仕事ぶりをして、結果を出すことが大前提です」

佐々木さんは勉強会や研修自体を否定しているわけではない。自身も「経営塾」を主催している。

「彼らは真剣そのものです。遊び気分じゃない。仕事をきちんとやったうえで参加しています。それでも、ある大企業の課長は『会社には絶対にバレたくない』と断言していました。そんな暇があるならもっと仕事しろと言われるのでしょう。確かに、上司としては部下の勉強会参加など面白いはずがありませんよ」

佐々木さん自身は仕事と家事をこなす傍ら、自費で研修や勉強会に参加した経験がある。

「激務の間をぬって行くのだから週に1回が限度。私は自分の成長のために必要なテーマのみ厳しく選んで参加しました。人脈づくりが目的ではありません。マーケティングや経理などの専門分野の勉強をするためです。勉強会に集まる人たちが真の人脈たりうるのかは疑問。エリートは忙しい。出世しない人ほど暇つぶしに来るんですよ」

30代の大田正文さんとは大いに違う意見だ。世代間の差というより、人脈の質と量のどちらを重視するかが見解の分かれるところだろう。佐々木さんも社外活動の重要性は認めている。

「本も読まない、家族や地域とも付き合わないというのは、自分の成長を拒絶している人です。人生の半分は仕事だとしても、大切なもう半分を捨ててしまっていることになります」

ただし、志があれば、他人がつくった勉強会に参加する必要はない。

「学生時代の友人と会ったり、仕事の延長線上で知り合った社外の人とコミュニケーションを維持したり。家族や地域も含めて、普通に生活しているだけでも様々な人と会います。人のつながりはそれだけでも十分です」

主体性に欠ける人が集まる会なら、人脈構築の意味がない。佐々木さんからの強烈な反論だ。

----------

東レ経営研究所特別顧問 佐々木常夫
1944年生まれ。東京大学卒業後、東レ入社。自閉症の長男に続き、次男、長女が誕生。妻は肝臓病がもとで入退院を繰り返し、うつ病も併発。育児、家事、看病をこなしながら、同期トップで取締役就任。

超・愛妻家 大田正文
平日は大手IT企業に勤める営業マン。早朝や休日は延べ会員数2000人を超える合計5つの勉強会を主催する。Facebook「愛妻家大田正文」で検索、Twitter:aisaikamasa、Google:「愛妻家」で検索。

----------

(ライター 大宮冬洋=文 小林雄一=撮影 PIXTA=写真)