ビジネスに法律は欠かせなくなっている。顧客との取引や新商品の開発、会社に雇われて働くこと、一消費者として商品を購入すること。これらすべてに法律が関係している。

ここでは、著作権、消費者契約法といった仕事ですぐに使える情報を掲載した本と、法律の原理原則を楽しみながら学べる本に大別して紹介したい。

比較的身近な法律として、まず著作権と労働法を押さえておこう。ブログやメルマガを使って、誰もが情報の発信者になりえる時代である。情報発信にあたっては、それが誰かの権利を侵害していないかを確認すべきだ。あるいはオリジナルのネーミングのつもりが、法律で保護されている商標を侵害していたという場合もありえる。

次に労働法だが、たとえば勤務中にツイッターで営業先の様子を呟くのは、労働に専念する義務に抵触する可能性がある。業績を上げさえすれば勤務中に何をしてもいいわけではないのだ。部下が会社の悪口を書き込んでいる場合もある。あなたが部下を持っていれば、問題社員の指導にあたっても、法律を押さえておかなくてはいけない。

もし余裕があれば、すべての法律の基礎となっている憲法や、財産、家族に関わる民法についても教養として知っておくといい。最後の3冊は、法律を勉強したことがない人でも読みやすいのでぜひ手にとってほしい。

■『ビジネスの法律を学べ!!』白川敬裕
ビジネスマンが皆関わる顧客との関係、著作権、契約など事例を絞って挙げている。理論に偏ることがなく、読みやすい。

■『消費者契約法・特定商取引法・割賦販売法の法律知識』藤田 裕
クーリングオフの仕組みをはじめ、消費者保護の法律が図表を使って説明されており、初心者にもわかりやすい。

■『知的財産法入門』小泉直樹
「いかなる場合に特許や商標、意匠などの知的財産法を侵害することになるのか」をイメージしやすい内容。

■『デジタル著作権の知識とQ&A』飯沼総合法律事務所
プライバシー権や肖像権など、ネット上で注意すべき権利についてQ&A形式でわかりやすく解説している。

■『マジマネ4 職場の法律知識を学ぶ!』萩原京二
部下を持つ上司の立場で書かれた入門書。接待や有給休暇など、身近な話題から労働法を学ぶことができる。

■『法務省令対応版 新会社法の重要55ポイント』中経出版編集部 会社法プロジェクト
会社設立や運営ルールに関する会社法は、透明な経営をするには欠かせない。総務関係者に限らず必読の書。

■『六法で身につける 荘司雅彦の法律力養成講座』荘司雅彦
六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)の核心を知れば、ときに商談を優位に運ぶことも可能だ。

■『憲法がしゃべった。〜世界一やさしい憲法の授業〜』木山泰嗣
「けんぽうくん」というキャラクターをガイドに憲法とは何かといった質問に答えてくれる。1時間で憲法の概要が掴める。

■『伊藤真の民法入門 講義再現版 第4版』伊藤 真
難解な用語にも説明がついており、基礎から学べる。カリスマ講師の講義が再現されており、入門者にも既習者にもお勧め。

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弁護士 白川敬裕

1975年、福岡県生まれ。東京大学4年在学中に司法試験合格。最年少(当時)の24歳で裁判官に任官。2003年、弁護士に転身。

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(弁護士 白川 敬裕 構成=尹 雄大 撮影=尾関裕士)