かまぼこが並んだようなかたちが印象的な、「東急線渋谷駅」。その渋谷駅があと数時間で役目を終えます。東急東横線と地下鉄・副都心線が相互直通運転になるため、地上にあった東横線渋谷駅が、地下5階に移動するのです。

 15日深夜1時前に到着する上りの最終電車が、最後の電車となります。ホームにはきっと多くの鉄道ファンが集まることでしょう。また、これまで地上の東急渋谷駅を使ったことがある人にとっても、感慨深い瞬間になるかもしれません。

 カメラマン中井精也さんにとっても、この時は特別なものになるでしょう。中井さんは、鉄道の車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として撮影し、「1日1鉄!」や「ゆる鉄」などの新ジャンルを生み出した鉄道カメラマン。

 以前、中井さんは、深夜の東急渋谷駅の撮影を行なったことがあるそうです。営業時間を終えた渋谷駅には当然人がいません。ただ人がいないだけで、電車もホームも改札も、冷たく、無機質に感じたと、写真集『DREAM TERMINAL』に言葉を残しています。そして、深夜2時にホームの照明が消えると、意外にも街の灯りではなく、星灯りが1番目立っていたそうです。

 この灯りについて、中井さんは「希望に満ちた光景でした」と表現しました。

 確かに、地上での東急渋谷駅の最後は寂しいものがありますが、新しい駅が生まれれば、さらなる出会いや思い出が生まれます。

 あと数時間後、最後の電車が無事に渋谷駅に到着し、深夜を迎え照明が消えた時、希望に満ちた星空が広がるといいですね。



『DREAM TERMINAL (東横線 渋谷駅メモリアル写真集)』
 著者:中井精也
 出版社:東急エージェンシー
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